アドベントカレンダー 12月10日
12月10日
援助物資の輸送と緊急支援たとえ「焼け石に水」のように見えたとしてももしも、麻酔薬や縫合のための器具、包帯がなかったら、どうやって手術をしたらよいのでしょう?もしも、抗生物質や鎮痛剤、下痢止めなどが全く手に入らなかったり、たとえ手に入ったとしても、貧しい人々にとっては、とても手に届くような金額ではなかったりしたら、どうしたらよいのでしょう?ドイツ国際平和村が支援に取り組んでいる国々では、こうした、基本的な医療処置を行うために最低限必要なものすら不足していることもしばしばです。平和村のスタッフが現地へ入った際には、開いたままの傷口に古く汚れた布が当てられているだけという状態の子どもたちを目にすることも珍しくはありません。そこには十分な包帯すらないのです。
ポストコロニアリズムからの脱却を目指して現地で始まった取り組みへの支援:それぞれの地で意味のある医療支援を子どもたちがそれぞれの母国で治療を受けられるようになること、とりわけ弱い立場にある人々のための健康保健制度が整えられること、いつの日か、外部からの支援が必要なくなること。このような想いの下、ドイツ国際平和村のパートナーたちは、それぞれの地で可能なことに取り組んでいます。現地の人々自らが考え、取り組んでいるプロジェクトであること、そのことがプロジェクトの継続性や効率、責任感へとつながるのです。私たちはこの考えを彼らと共有し、共にプロジェクトを進めています。 ウズベキスタンとキルギス 子どもたちの母国における手術 2003年に最初のプロジェクトが始まって以来、現在では、子どもたちの治療に関する4つの異なるプロジェクトがウズベキスタンで実施され、成果を上げています。最初の取り組みは、口唇口蓋裂症の子どもたちの手術プロジェクトでした。その後、2008年には四肢に先天性の形成不全のある子どもたちの手術が始まり、2011年には形成外科手術が加わり、2015年の年末からは、心臓疾患の子どもたちのウズベキスタンでの手術も始まりました。重篤な心臓疾患の場合には、インドでその手術が行われています。 ドイツ国際平和村はこうしたプロジェクトを資金面で支援しています。そして、これらのプロジェクトが成果を上げることで、治療のためにウズベキスタンからドイツへ来なくてはならない子どもたちの人数が大幅に減少しました。ウズベキスタンのパートナー団体はさらに、コストの削減にも取り組んでいます。例えば、ウズベキスタンの鉄道会社に掛け合い、患者の移動のための運賃を無料にしてもらうことができました。こうして節約された費用を、さらなる手術に充てることもできます。 ドイツ国際平和村が、ウズベキスタンの隣国であるキルギスの子どもたちへの支援を始めたのは比較的最近のことです。そのキルギスでも、ウズベキスタンでのプロジェクトをモデルとしたプロジェクトが実施されるようになり、形成外科または整形外科的な問題を抱えた子どもたちにとって、現地の医師によって母国で治療を受けられる可能性が広がりました。手術に必要な、しかし現地では不足している手術器具などを、ドイツ国際平和村はキルギスへ送っています。 こうした形のプロジェクトは、子どもたちには可能な限りそれぞれの母国での治療の機会を提供し、現地でどうしても治療が不可能な場合のみ、治療のために子どもたちをドイツへと連れてくるというドイツ国際平和村のコンセプトにまさに合致しています。
教育への投資プロジェクト活動のもう一つの重要な側面ドイツ国際平和村は、医療援助だけでなく、様々な教育関連プロジェクトへの支援にも取り組んでいます。その中には、社会的少数者への教育や彼らの自立を促進するためのプロジェクトもあれば、平和な社会を築いていくためのプロジェクトもあります。