協力病院での治療と平和村でのリハビリ
ドイツ各地の協力病院での治療と、平和村施設でのリハビリ。子どもたちが元気になるためには、どちらも欠かすことができません。治療、リハビリを終えた子どもたちは、元気になって、新たな希望を胸に、家族の待つ母国に帰ることができます。
しかし、紛争地域や危機的状況にある地域のケガや病気の子どもたちが全員、ドイツに治療に来られるわけではありません。
ドイツ国際平和村で受け入れることのできる子どもたちには、次の4つの条件があります。
- 母国では治療できないケガや病気を抱えていること
- ドイツでの治療によって回復の見込みがあるケガや病気であること
- 貧困家庭であること(子どもに外国での治療を受けさせることができるほど裕福な家庭の子どもたちは受け入れません)
- 家族やその国の政府が、治療が終わったら帰国するという方針を理解していること。(子どもたちの帰国が保証されていること)
子どもたちの母国へ現地入りするドイツ国際平和村スタッフと子どもたち、そしてその家族との面会により、ドイツで治療を受ける子どもたちが決まります。
しかし、治療が受けられる子どもの数は、現地で支援を必要としている子どもたちの数より少ない場合がほとんどです。
支援を届けることができた子どもたちは、残念ながら氷山の一角でしかありません。それでもドイツ国際平和村は子どもたちへの地道な支援を続けていきます。ドイツ国際平和村は、ドイツでの治療援助活動と子どもたちの母国での現地プロジェクト活動 を通して、毎年約1,500人の子どもたちを支援しています。
ドイツ国際平和村が子どもたちへの医療援助を続けることができるのは、ドイツ各地の協力病院の支援があるからです。各協力病院は、手術、入院など子どもたちの病気やケガの治療を無償で引き受けてくれています。保険に加入していない子どもたちの治療をどのように全額負担しているかは、各病院によって異なります。手術や治療にかかる医療品と手術室、病室などの場所の提供を病院が負担し、手術やその前後のケアを行う医師、看護師はボランティアを募って行う病院もあれば、平和村の子どもたちの治療費を賄うための基金を独自で立ち上げた病院もあります。それぞれの病院が、無償で治療できる環境を整えてくれているのです。
ドイツ国際平和村にあるリハビリセンターでは、協力病院での治療後の傷口のケア、また引き続き投薬が必要な子どもたちへのケアを行います。また、子どもたちは理学療法・作業療法を通したリハビリで、歩行練習や物をつかむ練習も行います。