10月16日世界食糧デーに際し

子どもたちに食糧の確保を!

ドイツ国際平和村の医療援助活動を進めるにあたり、この支援も不可欠だというものがはっきり見えてきました。それは、子どもたちやその家族を基礎食糧を通して支援することです。ここ最近は、活動国での子どもたちとその家族との面会を通して、食糧を確保することが医療供給の前提であるとますます実感しています。

9月末から10月初旬にかけて、子どもたちとの面会のため、アフガニスタンに滞在していたドイツ国際平和村のスタッフは、栄養不足の子どもたちを多く目にしました。免疫力が低く、ケガを負いやすく病気になりやすい子どもたちです。家族は、物価の高騰もあり、食糧を得ることがより困難です。ましてや、栄養が豊富でバランスの良い食事を準備することは不可能です。

飢餓は、アフガニスタンの子どもたちだけでなく世界中の何百万人もの子どもたちを襲っています。戦争や衝突、気候危機、そしてパンデミックの影響によって、以前から懸念していたことがさらに増しています。

カブールのヘルスセンター(保健所)を訪問

2023年10月初頭。第90回目のアフガニスタン援助の準備でアフガニスタンへ向かっていたドイツ国際平和村スタッフは、カブール郊外にあるヘルスセンターを訪問しました。ドイツ国際平和村の現地パートナー団体であるアフガニスタン赤新月社が運営しているこのヘルスセンターには、栄養不足に起因する症状をもつ生後6カ月から5才までの子どもたちが、一カ月あたり350人ほど診察を受けています。このうち10%から15%の子どもたちが、大変危険な状態にあり、その割合は増加傾向にあります。十分な栄養を子どもたちに与えられる家族はほぼいません。2021年の政権交代後、この国の経済は低下したままです。野菜や果物を購入できる人はまずいません。手にできるものがあったとしたら、それは、豆、米、ジャガイモ、パンです。子どもたちの健康な成長と免疫力の強化に必要なビタミンは、摂取できていません。ヘルスセンターで取り組んでいる栄養プログラムでは、極度に栄養不足の子どもたちを支援できていますが、それも一時的です。命をつなぐことはできますが、健康に生活できるまでの支援にはなっていません。ヘルスセンターでは、予防接種と薬による支援もできていますが、アフガニスタン赤新月社も寄付に頼らざるを得ない状況です。

別の日には、カブール市内にあるヘルスセンターを訪問しました。ここでは、栄養不足の子どもたち、日々50人ほどを支援しています。ヘルスセンターで目にする光景は、栄養失調の子どもたち、女性、男性です。診察する子どもたちのほぼ半分が、重度の栄養失調を抱え、多くは栄養補助食品によって命をつなぎとめています。母親もサポートを受けています。母乳が出るように自身の体に栄養を摂取しなければなりません。「カブールの様々な地区から人々はやってきます。朝5時から列を作り、診察開始を待っています。9時からの開始だとわかっているのにです。ここでは無償で診察を受けられます。ここで診察を受ける人々は、そのための資金は持ち合わせていない人々です。人々を取り巻く環境、飢餓は、日々深刻化しています。」と、ある医師が状況を説明します。安全に栄養を確保するには、水が必要ですが、水も不足しています。多くの井戸は枯渇しています。水が手に入ったとしても水質に関しては気がかりです。ヘルスセンター自体も水の確保に困っています。水を購入しなければ、人々への医療供給もできない状況です。「首都カブールでさえこのような状況だったら、地方の状況はさらに過酷なのではないでしょうか?」と、カブールの2軒のヘルスセンターを訪れたドイツ国際平和村スタッフ、クラウディア・ペップミュラーが自らに問います。既に風前の灯のような状況になっているところ、不作が続いたり、最近ヘラート州で起こった地震、干ばつ、洪水などの自然災害がアフガニスタンを襲っています。

アフガニスタンだけでなく、タジキスタン、カンボジア、イラクなど、ドイツ国際平和村が活動している国々において、世界で起こっている戦争や危機、気候危機の影響は規模を増しています。昨年から、ドイツ国際平和村は、困苦にある家族へ食糧物資を支援してきました。特にケガや病気を抱えた子どもたちには、温かく、栄養の整った食事が必要だからです。今後も、人々の苦しみに寄り添い、医療援助と並行して、基礎食糧を通して人々を支援していく予定です。

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