チャーター便のカブール出発前に地震
ドイツ国際平和村スタッフのビルギット・ヘルムートとクラウディア・ペップミュラー、加えてシュタイネン-ペルシュケ医師は、3月19日(日)から再度カブールに入り、23日(木)のドイツ行き援助飛行に向けて、80人の子どもたちの渡独準備をしていました。子どもたちの包帯替え、コロナテストなどです。21日(火)の業務が終わった夜、アフガニスタン北東部でM6.5の大きな地震がありました。ドイツ国際平和村の第89回目のアフガニスタン援助に、一時緊迫感が張り詰めました。「とても驚きました。私たちが滞在していた建物も大きく揺れました。小さな地震でないことはすぐにわかりました。報道により、この地震はタジキスタンにも及んでいることを知りました。タジキスタンのパートナーのことやカブールに起こるかもしれないさらなる地震が心配でした。トルコ・シリア地震のニュースで目にしたことがすぐに頭をよぎりました。」とクラウディア・ペップミュラーが言います。「大変驚きましたが、翌日、渡独予定の80人の子どもたちとカブール市内に被害はなかったと知り安心しました。ただ、パキスタンとの国境地域の村が完全に崩壊してしまったり、アフガニスタン北部バルフ州では、洪水による被害もありました。」アフガニスタン赤新月社のスタッフによると、バルク州地域の建物は、激流には耐えられません。粘土と小さな石によって建てられた家屋は、すぐに水に流されてしまいます。それでなくても人々は少ない所有物しか持ち合わせていないのに、その少ない財産が流されてしまいました。このような状況下で最も苦しむのは子どもたちです。アフガニスタンは、気候変動の影響を最も受けている国々の一国に数えられます。今後もアフガニスタンの子どもたちを取り巻く環境は酷さを増すでしょう。既に過酷な状況にあるアフガニスタンの今後の展望にも暗い影を落としています。
カブールでの感動的な再会
カブールでの準備に並行して、ドイツ・オーバーハウゼン市では、49人の子どもたちが「ナッハ ハウゼ!(家に帰る!)」と声をあげながら施設を出発し、デュッセルドルフ空港からカブール行きの飛行機に乗り込みました。そして、カブールに到着すると、赤新月社のメイン棟にて歓迎セレモニーがありました。子どもたち、家族、パートナー、全ての人々にとって特別な時間となりました。パートナー団体のスタッフの周到な準備のおかげです。家族と子どもたちの再会では、感動的なシーンがたくさんありました。家族は喜びの涙を目にためながら、帰国してきた子どもたちの中に自身の子どもを探していました。
このカブールに帰ってきた子どもたちとそれぞれの家族に、ドイツ国際平和村のスタッフ、クラウディア・ペップミュラーとパートナー団体のスタッフは面会し、治療経過等を話しました。その間に、よいニュースが届きました。ビルギット・ヘルムートとシュタイネン-ペルシュケ医師とともにカブールを出発した80人の子どもたちが、無事にデュッセルドルフ空港に到着しました。そして、ビルギット・ヘルムートは、アフガニスタンの状況について報告しました。「子どもたちの全体的な身体の状態と栄養状態に対する懸念はさらに増大しました。子どもたちの肋骨は目立っています。子どもたちの傷や、膿が排出されている骨髄炎の症状も布切れで覆われています。たいていの場合、長期間そのままです。状態は劇的に悪化しています。」 包帯や温かい食事を手にすることができるほどの収入があるのは、この国の10%ほどで、残りの90%の人々が心配です。
魚の缶詰は重要な支援品
ドイツ国際平和村は、2月中、衣類や魚の缶詰を集め、3月のチャーター便でその他医療品も含め、アフガニスタンへ届けました。多くの方々の協力により集まったこれらの支援物資は、確実に必要とされていました。アフガニスタン赤新月社の大型倉庫はすでに空になっていたからです。「支援物資は大変感謝され、パートナー団体のスタッフは、『協力してくださった方々に感謝を伝えてください』と言っていました。アフガニスタンの人々にとって、連帯感を感じられる支援であり、『忘れずにいてくれる人々がいる』という希望を届けることができました。」と、ドイツ国際平和村代表ビルギット・シュティフターは語ります。特に喜ばれたのは、栄養価の高い魚の缶詰でした。今後も、ドイツ国際平和村は、現地パートナー団体と協力してアフガニスタン援助を続けていきます。再び、2000の食糧品セットを人々に届ける食糧物資配布活動を資金援助する予定です。これらの食糧物資セットはアフガニスタン赤新月社が現地での分配を担います。
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