ドイツ国際平和村スタッフがアフガニスタンから戻りました

「これからの冬が恐ろしい」

アフガニスタンでの政権交代から1年。この1年の間に、ドイツ国際平和村は、アフガニスタンの子どもたちのため、援助飛行を2度実施しました。そして、この度、8月12日から21日にかけて、ドイツ国際平和村スタッフが現地入りし、治療のため11月の援助飛行で渡独する約50人の子どもたちの準備を行いました。今回の現地視察には、ジャーナリストのヤン・イエッセン氏、写真家のアンドレ・ヒアツ氏も同行しました。子どもたちへの医療援助に並行して、現地プロジェクトも進めており、クンドゥズとジャララバードに井戸を建築しました。今回のアフガニスタン滞在中にヘラートに赴き、ヘラートでの井戸構築プロジェクトを進めることを決めました。ドイツ国際平和村スタッフはこの国の人道危機を改めて実感しています。

医療崩壊

面会にやってきた子どもたちの健康状態はかなり深刻です。開口傷が10センチ近くもある子どもですら、傷を汚れた布で覆っているだけです。骨髄炎による痛みを1年以上も抱え、膿が流れ出し、骨がむき出しになっているケースもあります。日本やドイツでは、ここまで悪化する前に、病院で適切な治療がなされます。アフガニスタンの子どもたちには鎮痛剤もありません。「子どもたちの状態には驚愕します」とドイツ国際平和村スタッフ、ビルギット・ヘルムートが言います。彼女は、30年前に初めてアフガニスタンへ現地入りしました。「アフガニスタン入りするたびに、医療状況の悪化が見て取れます。11月に再度アフガニスタンへ行きますが、その時にはさらに深刻化しているでしょう。」 ドイツ国際平和村の支援を受けることが、生きていく最後のチャンスだからこそ、このような深刻な状態下でも、何日もかけて、面会場所である首都まで移動してくるのです。信じがたい現実がこの国には存在しています。

医療崩壊の様子は、首都カブールから東へ約150kmに位置するジャララバードの社会福祉事業マラストゥーン(平和のための共同体)からもわかります。この事業は、アフガニスタン赤新月社によって行われ、約200人の孤児と37人のシングルマザーが生活しており、裁縫の職業訓練プログラムも行われています。ドイツ国際平和村が資金援助した新しい井戸の設置によって、この事業の敷地内では飲料水が確保できています。しかしながら、建物は老朽化し、キッチンには、やけどやケガをする危険性があります。子どもたちの身体の状態もよくありません。この事業にかかわる医師たちは子どもたちの状態を改善したいのですが、必要な医薬品が不足しています。

ジャララバードの社会福祉事業マラストゥーン(平和のための共同体)にて
(写真:André Hirtz/ FUNKE Foto Services).

 

ドイツ国際平和村スタッフはカブールにある学校も訪問しました。この学校には1000人もの児童が通っています。男の子と女の子は分かれて授業を受けていますが、休憩時間の校庭では一緒です。1人の女性教諭が、ドイツ国際平和村スタッフに語りました。「私の両親が言うには、第1次タリバン政権下では、女性は男性の同伴がない限り外を歩くことができず、学校に通うこともできませんでした。現在は、6年生までは女の子も学校に行けます。タリバンがこの上限を少しずつ変更してくれることを願っています。」

今回の滞在プログラム後半に、ドイツ国際平和村スタッフはヘラート市に向かいました。トルクメニスタンやイランとの国境からそれほど離れていません。アフガニスタン赤新月社は、この地でマラストゥーン事業の拡張を予定しています。この敷地内にも井戸を構築する予定です。このプロジェクトの敷地を視察したあと、ドイツ国際平和村スタッフは、精神疾患を持つ人々約250人が生活する施設を訪れました。その施設にいる男性の大半は退役軍人で、トラウマを抱えています。この250人の人々に対し、医師1人、看護師1人しかいません。今まで頼っていた補助金が、打ち切られ、赤新月社の活動も思い通りに進めることができません。この施設を訪問したドイツ国際平和村スタッフ、クラウディア・ペップミュラーは言いました。「戦争が人々に与える影響をあらためて認識する場所です。忘れてはいけません。」

精神疾患を持つ人々が生活する施設にて(写真:André Hirtz/ FUNKE Foto Services)

 

経済的な将来の展望

医療分野に並行し、この国の経済分野も悪化の一途をたどっています。何百万人もの人々が空腹に苦しんでいます。仕事をしたくても職はありません。ドイツ国際平和村スタッフは現地のスタッフから、10人家族が、1か月30米ドルで生活していかなければならないことを聞きました。この経済状況は、気候危機の影響も受けています。観測史上まれな干ばつがこの国を襲っています。一旦雨が降ったかと思うと大雨になり、家屋や道路を破壊しています。ドイツ国際平和村スタッフがジャララバードに向かう途中には、最近の洪水によって亡くなった25人の話を聞きました。今年6月に大きな地震が襲ったパクティカ州とホスト州地域では、今も小さな余震が起こっています。数百万人の人々が、この深刻な状況から逃れるため、海外に出ていきます。特に、医師や看護師、若くて教育を受けた人々が、この国において将来の希望を見出すことができずにいるのです。残された人々にとっては大きな問題です。この問題に、アフガニスタンの約1400万人の子どもたちが直面しなければならないのです。

人々がこれからの冬を乗り越えられるように

アフガニスタン国民にとって心配でならないことがあります。「アフガニスタンの様々な地域の人々が口を揃えて、これから来る冬を恐れていると言います。」とペップミュラーが報告します。「夏の今でさえ、どうしたら生き延びられるのかわからない人々は、冬になったらどうなってしまうのでしょうか。」現地の人々が厳しい冬を乗り越えられるよう、ドイツ国際平和村は、可能な支援を続けていきます。

写真:André Hirtz/ FUNKE Foto Services

Schreibe einen Kommentar

Deine E-Mail-Adresse wird nicht veröffentlicht.