~矢倉医師からの報告 アフガニスタンへのチャーター機に同乗~
ドイツでの初診にも立ち会われていますが、そのときの様子を教えてください。
なま傷のひどい子どもたちの多くは空港から直接入院していましたが、施設へ移動してきたこの中にも症状がひどい子どもはたくさんいました。骨髄炎とそれによる病的骨折でギプスを巻かれてきた女の子。ギプスが膿だらけであまりにひどいので、ギプスをカットすると何ヶ月前に巻かれたギプスをそのままにされていたのか膿に見えたのは数ヶ月分のアカがふやけていたものでした。また、仕掛けられた爆発物で身体の一部を失い、ひどいやけどを負った男の子。キズの処置の痛みに必死に耐えていました。骨髄炎の治療できた女の子。胸の音を聞くと整形外科医でもわかるくらい心雑音がありました。現地では発見されず、ドイツに到着してから新たな病気が見つかる子もいます。
他にもここには書ききれないくらい一人ひとり重い症状を抱えています。
このホームページを読んでいる方へ伝えたいことを是非!
いま世界はロシアによるウクライナ侵略戦争に目が向けられていますが、今回のアフガニスタン援助飛行ではそんな状況の中、チャーター便はウクライナのすぐ南、黒海を通ってドイツからアフガニスタンに向かいました。そしてアフガニスタンの現地で治療を受けられない子どもたちをドイツまで搬送してきました。
現在、平和村施設内にはウクライナからの避難民が一時的に身を寄せています。2011年に始まったシリアの内戦の時にも、平和村施設や平和村近くの施設にシリア難民が滞在していました。
昨年8月、政権の変わったアフガニスタンに世界の人が目を向けていたと思います。昨年2月には軍事クーデターが発生したミャンマーに注目していたと思います。今年1月にはトンガ沖で大規模噴火が発生しました。みなさんはどこまで覚えていますか?
日本ではウクライナの状況ばかりが毎日報道されていますが、今同じとき、シリアでも、アフガニスタンでも、ミャンマーでも、明日自分が生きている保証のない厳しい状況の中で生きている人がたくさんいる、ということに気付いて、目を向けてほしいと思います。
私は実際にアフガニスタンの子どもたち、ウクライナからの避難民に接することにより、あらためて、日本は贅沢すぎる、平和ボケの国だと強く感じています。同じ地球に生まれた人たち。私たちとは生まれた場所、生活している場所が違うだけで、皆同じ人間です。
全ての人を支援することは難しいですが、まずは目を向けることから始め、そんな中からそれぞれ自分にできる範囲の支援を考えていただければと思います。
写真:Sandro Somigli &ドイツ国際平和村
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