イラク・クルディスタン地区へ現地入りしたスタッフからの報告

イラク・クルディスタン地区現地視察 ~現地からの報告~

ドイツ国際平和村スタッフのクラウディア・ペップミュラーが、イラク・クルディスタン地区へ向かいました。下記、現地からの報告です。

【2026年10月17日(土) イラク・コマネ(クルディスタンの山間にある小さな村)】
トルコ国境に近い小さな村コマネには、キリスト教徒の家族が約45世帯、イスラム教徒の家族が約90世帯暮らしています。ここにある聖母被昇天教会で、この僻地における医療事情を多く知ることになりました。

応急処置は可能です。しかし、重い症状の場合は、大きな都市への搬送が必要です。現地の医師によると、治療を必要とする子どもたちに関する相談がこの地域だけで、約70件寄せられているとのことです。ドイツ国際平和村現地パートナーである「Barzani Charity Foundation(バルザニ慈善財団)」(以下BCF)と協力して、支援活動をしています。

今回、イラクへの現地視察で現地の子どもたちに医療支援がきちんと届くための基盤として、信頼できる現地パートナ団体がいることがどれだけ重要かを実感できる訪問となりました。

 

【2026年10月15日(木) イラク・ドホーク】
5,666人の子どもたち。無医地区。薬もない。イラク北部ドホークにあるガウェラン難民キャンプには、1万1,000人以上のシリア難民が暮らしています。そのうちのほぼ半数は、未成年の子どもたちです。支援を切実に必要としているという医師の言葉を聞いて、私たちはこの地域の状況を知ることになりました。

この日、私たちが目にした光景は、言葉にすることが困難なほど震撼しました。かつては検査室、病棟、さらには産科・新生児科まで備えた大規模な医療施設だった建物が、現在、空き家となっています。海外からの支援団体が撤退した後、施設の一部のものが、略奪され、医療機器は長年にわたり放置されたままです。それらがまだ機能するかどうかは、まったくわかりません。放置されてしまった医療施設の状況に胸が締め付けられました。

医師も、看護師も、薬もない。

最寄りの診療所までは車で約1時間かかります。車もお金もない多くの家族にとって、そこへ行くことはほぼ不可能です。もし子どもが突然体調を壊したり、怪我をしたりしたらどうなるのでしょうか?親たちは、誰かが最寄りの診療所まで連れて行ってくれることを願うしかありません。

ドイツ国際平和村が資金援助しているMER(移動式クリニック)が、他の難民キャンプの子どもたちにとってどれほど重要であるかを目の当たりにしました。この難民キャンプでは、最も基本的な医療さえも欠如しています。子どもたちの健康を案じる家族たちは、その不安をほぼ独りで抱えざるを得ない状況にあります。

 

【2026年10月13日(火)イラク・ドホーク】
今月11日(日)からイラクに滞在しています。ドイツ国際平和村の現地パートナー団体である「Barzani Charity Foundation(バルザニ慈善財団)」(以下BCF)との意見交換が行われ、難民キャンプにMER(移動式クリニック)を導入した現地プロジェクト活動の重要さを直接現地の人々から聞くことができました。
今日は、マムラシャン国内避難民キャンプを訪問しました。この難民キャンプは2015年に開設され、多くの避難民家族にとって生活の拠点となっています。多くの子どもたちが、厳しい環境の中で育っています。MERは、子どもたちを診察するという目的で、週3回このキャンプ を訪れています。今日だけでも、医療支援を必要とした家族は44世帯に上りました。インフルエンザなどの感染症の患者数が増加している今、定期的な医療ケアが特に重要です。私たちが資金提供している医薬品は、迅速な治療を可能にし、感染症の拡大防止に役立っています。
この難民キャンプへの訪問を通じて、人々が暮らす場所に直接医療支援を届けることがいかに重要であるかを改めて実感しました。すでに厳しい環境下で育っている子どもたちにとって、できる限り医療へアクセスを可能にしたいと考えています。

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