第73回アンゴラ援助

第73回アンゴラ援助  支援が次の支援へ

この度、73回目となるアンゴラへの援助が実施されました。2023年10月9日、アンゴラの現地パートナー団体スタッフ同行のもと、14人の子どもたちが病気やけがの治療のため、渡独しました。そして、2023年10月15日には、以前からドイツに滞在し、治療を受けていた16人の子どもたちが母国アンゴラへと帰国することができました。

14人の子どもたちと渡独したアンゴラ現地パートナー団体のスタッフの1人に、ジョゼ・マウリシオがいます。彼は、約25年前に、重度の骨髄炎を抱えていました。その治療のため、渡独し、平和村の施設にて生活していました。だからこそ、渡独する子どもたちの気持ちがよくわかります。ジョゼが渡独した25年前と変わらず、現在も、アンゴラでは適切な治療を受けることができない子どもたちがたくさん存在します。

多くのアンゴラ国民にとって、必要な医療を最低限でも得ることは大変困難です。医療インフラが整っておらず、病院やクリニックでも、医療設備が十分とは言えません。「自身や子どもに医療費を支払える富裕層の家族は極少数です。」と、現地パートナー団体のスタッフで小児科の女医セベリーナが言います。「特に地方では、病院への道のりが遠く、移動のためのお金もありません。多くの家族は取り残されています。」

ケガや病気を抱えた子どもの家族は、首都ルアンダへ向かうしかありません。しかし、地方に住む多くの人々にとって、首都までの移動はほぼ不可能です。「アンゴラの、特に地方では、伝統医療がまだまだ浸透しています。人々は、医療を学んだ医師ではなく、『村医者』を訪れます。」とセベリーナ女医が付け加えます。「その結果、十分に適切な処置がなされないことがあり、小規模の傷が複雑化してしまい、深刻な健康リスクを負うことになります。」

12才のブランカの症状は、この状況を物語っています。ジョゼと同様、重度の骨髄炎を抱えています。不十分な処置により、症状がひどくなり、骨髄炎は腰部から脚全体にかけて広がっています。ひどい痛みを伴う瘻孔と傷に覆われています。この苦痛は、初期治療が適切になされていれば、防げていたはずです。

ブランカ、そして今回渡独した子どもたちは、これから必要な治療を受けることができます。骨髄炎や四肢の変形、泌尿器系の症状を抱えた子どもたちです。ドイツでの治療によって、再び健康を取り戻し、母国で待つ家族の元へ帰っていきます。

ドイツ国際平和村の支援を得た子どもたちの多くは、「帰国後は、母国において支援を必要としている他の子どもたちを支援したい」と語ります。ブランカも、いつの日か、ジョゼのようになるかもしれません。

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