アフガニスタンのケガや病気を抱えた80人の子どもたちが渡独予定

アフガニスタン支援は、現地で必要とされています!

アフガニスタンに現地入りしていたドイツ国際平和村スタッフのビルギット・ヘルムートとクラウディア・ペップミュラーは、滞在中、度々息をのむ状況に陥りました。二人は、現地パートナー団体のオフィスで治療を必要としている子どもたちと面会し、子どもたちのケガの状態の酷さ、支援の必要性、子どもたちの運命、それぞれと対峙しました。アフガニスタンのマルーフ医師とともに、1500人を超えるケガや病気を抱えた子どもたちと面会し、3月中旬に予定しているドイツ国際平和村のチャーター便でドイツへ連れてくる80人を決定しました。この80人は治癒する可能性があるという希望を得ることができましたが、アフガニスタン現地では、医療援助の必要性は増すばかりです。

壊滅的状況:極度の崩壊が間近

ドイツ国際平和村スタッフが現地入りするたびに、子どもたちの悲惨な状態がさらに悪化し、新たな極点を迎えていることを実感します。今月の援助飛行でデュッセルドルフ空港に到着する子どもたちの多くは、重度のやけどを抱えています。数か月前に負ったやけどや、皮膚が解けた状態のやけどもあり、この場合は包帯を替えることさえ困難でした。また、変わらず、重度の骨髄炎は子どもたちをとりまく環境の劣悪さを物語っています。昨年の面会時でも、多くの傷は衣類の切れ端や汚れた包帯によって覆われていました。包帯類や簡易の鎮痛剤を手に入れることができる人は数限られています。90%の家族が、収入がない、もしくはほぼ無に近い収入しかありません。食糧品でさえ手に入れることができないのです。「冬季は常にといってよいほど、医療状況や子どもたちの健康状態が悪化します」と、30年前からアフガニスタン現地入りしているヘルムートは言います。「現在の経済的状況や、マイナス15度まで下がる気温、この国の飢餓状況は、この国の人々を極度に苦しめています。今回、ほぼチャーター機3機分の、やけどと骨髄炎の子どもたちを診ました。」 援助が必要な子どもたちが多く、アフガニスタン国内において治癒の可能性がないかをパートナーたちと協議することも常でした。「治療援助の必要性は増すばかりです。すぐにドイツでの治療を提供できない子どもたちも多く、このような子どもたちを取り巻く状況を改善しなければなりません。現地での治療の新たな可能性を探り、現地で少しでも子どもたちの苦しみを和らげられるよう、アフガニスタン現地パートナー団体とさらに協力していきます。アフガニスタンの子どもたちを、長期的な視野で援助していかなければなりません。」と、ドイツ国際平和村代表ビルギット・シュティフターは言います。

現地プロジェクト活動を通し、現地のインフラの充実を目指す

現地入りしたスタッフは、子どもたちとの面会に加え、ドイツ国際平和村が資金援助している現地プロジェクトの様子も視察しました。この現地パートナー団体の社会福祉事業「マラストゥーン(平和のための共同体)」プロジェクトの効果は喜ばしいものでした。カブールのマラストゥーンでは、最近井戸の構築プロジェクトに取り組みました。井戸が設置され、マラストゥーンに住む約200人の孤児や37人のシングルマザーだけでなく、近くの学校の約1000人の児童に、清潔な飲料水を提供できるようになりました。ジャララバードのマラストゥーンは、施設の老朽化が進み、特にキッチンはやけど事故や火災の危険性がありました。そこで、ドイツ国際平和村はキッチンの改装を支援しました。今までは地面に穴をほり火を燃やしていましたが、新しいキッチンでは火元が大人の腰の高さくらいにあります。そのため、このキッチンでは子どもの手が火元に届きにくく、事故が減るでしょう。また、子どもたちの遊び場が完成し、子どもたちは大喜びでした。「目を輝かせた子どもたちの笑い声や表情がとても印象に残っています。」とクラウディア・ペップミュラーが嬉しそうに言います。「子どもたちが子どもらしくいることができ、心向くままに遊ぶことができるようになったのです!休憩のためのベンチもあります。アフガニスタン現地パートナー団体である赤新月社の尽力は大きいです。心から感謝します。」

経済制裁により人々の困苦はさらに倍増

EUと並び、ドイツは、タリバン政権への新たな経済制裁への準備を告知しました。同時期、ドイツ国際平和村スタッフは、現地にて、人々の困苦を目にしていました。「EUによる経済制裁は、最も苦しい立場にいる人々を直撃します。アフガニスタンの何百万人もの人々の困苦を、残念ながらピークに押し上げてしまうでしょう。」と代表シュティフターは言及します。「数週間前、『現在の制裁が何百万人もの人々が待っている人道援助を妨害している』と国連が警告したばかりです。さらなる制限による影響は計り知れません。私たちは国連と国際人道団体の要請に賛同します。ドイツ、そして国際社会は、制裁を緩め、解決の道を互いに見つけるべきです。アフガニスタンの人々の基本的な生活環境が確保されるために必須です。援助なしではこの壊滅的状況は改善されません。この国の未来のためにも援助は必要です!」

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