ドイツ国際平和村スタッフがカンボジア入り(現地からの報告)

カンボジアから現地報告 2022年11月

2022年11月26日より、ドイツ国際平和村代表ビルギット・シュティフターと職員クラウディア・ペップミュラーがカンボジアで現地プロジェクトの視察をしています。以下、カンボジアから定期的に現地の様子をお伝えします。

 

【2022年12月3日 カンボジア・トゥールスノール】
カンボジア現地視察が、最終日となりました。最後に訪れたのはトゥールスノール地区にある産科病棟です。今年、100名以上もの母親たちが出産をしました。この産科病棟はドイツ国際平和村が資金援助をしています。

【2022年12月1日 カンボジア・トラペアンプリン】
ドイツ国際平和村は現地プロジェクト活動として、カンボジアの基礎健康診療所の建設を支援しています。今回、カンボジアでの基礎健康診療所の重要さを実感しました。現在いるトラペアンプリンは、都市からはだいぶ離れた地域で、この地域の人々はゴムの木やピーナッツ畑による収入で生活しています。「病気になったら、15キロ離れた簡易診療所に行きます」と72歳の村長が話します。もしも、もっと近くに適切な診察を受けられる医療制度が整っていれば、彼自身、そして彼の家族ももっと違う人生を歩んでいたかもしれません。1994年までは、一軒家に住んでいました。その後、彼の妻、子どもたち、そして彼自身が病気になり、最終的には呪われているのだろうと言われました。診療費や治療費のために、すべての家財道具を打ってお金にしなければならず、財産を失いました。
41軒目となる基礎健康診療所の完成までもう少しです。この村長とともに、今回41軒目の基礎健康診療所を訪れました。この地域に適切な診察を受けられる場所が完成すれば、彼のような人生を歩む人はいなくなるでしょう。

【2022年11月30日 カンボジア・プノンペン】
バッタンバンでは、ゴミ山の中から生活の糧を探している家族たちはゴミ山の中で生活をしています。彼らは、ゴミ山に住んでいる限り、家賃を払う必要はありません。ただ、プノンペンでは様子が違います。プノンペンでは、ゴミ山の中ではなく、ゴミ山がある収集所の周りに人々は住んでいます。そして、家賃として月15ドルを支払わなければなりません。さらに、光熱費として15ドルも支払います。プラスティックゴミの1キロ当たりの金額は1セントにしかならないのにです!ここで生活する子どもたちが教育支援プログラムを受けることはとても意味があるのです。

【2022年11月29日 カンボジア・プノンペン】
今日はプノンペン近郊まで移動しました。2006年以降、ドイツ国際平和村はこの地域にあるSomersault幼稚園を支援しています。この幼稚園はゴミ山の近くに設置されています。というもの、ゴミ山で生活の糧を得ている家族の子どもたちへの支援が目的だからです。この幼稚園には、週7日、無料で通うことができます。さらに、温かいお昼ご飯も提供されます。ここでは、算数、英語、理科、クメール語、それに様々な体験ができ、子どもたちは喜んで通っているようです。ここでも発表会がありました。発表会後、子どもたちには、1年生になったときに必要となる文房具やおかしがプレゼントされていました。この幼稚園に通う子どもたちの30%がゴミ山で生活していると現地パートナーのHeng氏が語りました。

12月1日から幼稚園が休みになります。この休暇後、子どもたちが元気に幼稚園へ戻ってくるようにと、1か月分の食糧支援物資を家族に渡しました。

【2022年11月28日 カンボジア・バッタンバン】
SABセンターでは、ゴミ山で生活の糧を得て暮らしている家族の子どもたちへの支援プログラムが提供されています。今朝、この地域で生活している子どもたち60名ほどが、施設への行くのを待ちきれない様子で待っていました。というのも、今まで練習してきた踊りや器械体操、それに演劇を発表する日だったからです。過去2年は、厳しいコロナ感染予防規制のため、これらのプログラムにも制限がかかっていました。このプログラムでは、団体行動を通し、互いにリスペクトすることや信頼関係を築くことを経験します。また、同時に自信を身につけた子どもたちは、将来の展望を明るくみられるようになります。現地パートナーのChau Kim Heng氏は子どもたちへの挨拶の際、教育がよりよい人生へのカギを握っていると伝えていました。自身が子ども時代にこのプロジェクトに参加していたという女性たちも訪れていました。彼女たちは、すでに成人しており、このプログラムがあったからこそ、今の自分たちがいると感謝の気持ちを述べていました。

【2022年11月27日 カンボジア・バッタンバン】
カンボジア・バッタンバン市での現地プロジェクト活動を視察しました。まずは、ゴミの中から生活の糧となる物を探し求めて生計を維持している人々の話を聞きに行きました。この3年で、ゴミ処理の方法にも変化がでていました。リサイクルセンターでは、きちんと雇用された人々が、きちんとした労働条件下でゴミの分別を行っています。また、子どもたち用にサッカー場が設置され、様々なプログラムも準備されるようになりました。「以前は、子どもたちも一緒にゴミ山の中から、生活の糧になるものを探していました。子どもたちへの英語プログラムやサーカスプログラムがあり、子どもたちがそれらに参加できるようになり家族も安堵しています」とHeng氏が語ります。この日はあるサプライズがありました。この地域に住む51家庭に基礎食糧品や洗剤を届けることができたのです。物価高騰で、生活が大変な中で、これらの支援が、人々の生活を和らげると信じています。

【2022年11月27日 カンボジア・シェムリアップ】
カンボジアでは、どの家にも神棚があります。私たちが滞在している宿泊施設も例外ではなく、神棚には朝食も準備されていました。カンボジアの人々の思いやりはこういうところで感じられます。

【2022年11月26日 カンボジア・シェムリアップ】
3年ぶりに、カンボジア現地パートナーのChau Kim Heng氏と再会できました!再会に3年もかかるなんて当時は思ってもおらず、こうして再会できたことに感動しております。カンボジアのシェムリアップ空港に着陸直前、飛行機の中から、カンボジアの多くの地域がまだ水でおおわれている様子を目にしました。

「今年の雨季は通年と比べ物にならないほど大変でした。こんなに雨が続いたことはありません。」と話すHeng氏の頭上には、あらたな雷雲が発生しています。長続きする豪雨により、米の収穫にも大きな影響がでています。ロシアとウクライナ間の紛争による影響もあり、人々は困難な状況に陥っています。Heng氏は次のように語ります。「生活必需品の物価高騰で、貧困層の人々はさらなる生活苦に陥っています。少し余裕がある人でも今まで以上に困難な生活を強いられる状況で、経済はますます崩壊していくことになります。」今すぐに和平交渉が双方によって、されるべきであるという願望は、世界中の多くの人が望んでいることです。

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