アフガニスタン援助飛行の延期

アフガニスタンにいるケガや病気を抱えた子どもたちへの援助が困難に

2021年8月9日から17日、ドイツ国際平和村のクラウディア・ペップミュラーとビルギット・ヘルムートがアフガニスタンの首都カブールに現地入りしていました。この二人には、ジャーナリストであるヤン・イエッセン氏も同行しました。現地入りの目的は、アフガニスタンへの医療援助飛行の準備でした。治療のため渡独する子どもたちとその家族との面会、そしてビザ申請の準備を行いました。しかしながら、滞在中に、タリバンが首都を掌握し、航空交通が困難になり、現地入りスタッフのカブールからドイツへの帰国便がキャンセルになりました。アフガニスタン情勢が急激に不安定になる中、ドイツ国際平和村スタッフは、8月17日、ドイツ軍の避難専用機でアフガニスタンを出国しました。この航空機はアフガニスタンの隣国ウズベキスタンの首都タシケントに向かい、そこから他の航空機によって、ドイツ国際平和村スタッフは、8月18日早朝、フランクフルト空港に到着しました。

現地入りしていたスタッフは無事にドイツに戻れましたが、複雑な想いを抱えています。「カブール空港の周りには、命がけで必死に出国を求めている人々が大勢いました。その人々の出国は望みのないものでした。そのような中で、ドイツのパスポートを持っているといったことに喜びを表すことは難しいです。多くの人々が、アフガニスタンに残れば死んでしまうかもしれないと大きな不安を抱えています。」とビルギット・ヘルムートが言います。現地入りしたスタッフが報告する現地の様子は惨たるものです。群衆の中を、家族が通れるように必死になっている父親。娘と息子を体に引き寄せ守っている母親たち。「私たちは、この状況に震撼しています。人々は、自身の大切な故郷や母国を去ること以外にこれからの展望を見いだせず絶望的になっていることを感じています。」とクラウディア・ペップミュラーが加えます。

今回の滞在中に面会した子どもたちのうち27人は、早急に治療が必要です。アフガニスタンの医師たちは、これ以上子どもたちを支援することはできません。子どもたちにとって、ドイツでの治療は、健康に生きていく最後のチャンスなのです。多くの子どもたちは、骨髄炎を患っており、治療がなされなければ、敗血症、そして死に至る場合もあります。タリバンによる予想以上に急速な首都掌握により、子どもたちと家族の希望が無になってしまいました。8月末にケガや病気を抱えた子どもたちをドイツへ連れてくる予定でしたが、そのためのチャーター便は延期となりました。「航空会社との話し合いの上、現在の状況では援助飛行の実施は不可能だという判断をしなければなりませんでした。各国の避難便が発着するため、カブール空港周辺は、大変危険な状況です。ケガや病気を抱えた子どもたちの治療を待たせなければならず、心が痛みます。しかし、ドイツ国際平和村は約束します。可能な限り早く子どもたちへ医療援助ができるように尽力していきます。」とドイツ国際平和村代表、ビルギット・シュティフターは語ります。

ドイツ国際平和村は、1996年から2001年のタリバン政権の時代にも、アフガニスタンへの援助活動を継続していました。「援助活動を行っている各国の政治・政権にかかわらず、独立した形で、ドイツ国際平和村は活動しています。世界中の子どもたち一人ひとりに、健康な未来を生きる権利があります。それは、タリバンの子どもであっても、その他の子どもであっても同じです。子どもは、どの政党を支持している親の元に生まれるかを選んで、この世に生まれるわけではありません。」とビルギット・シュティフターが言及します。「アフガニスタン現地パートナー団体は、私たちと協力関係にある団体であり、タリバンやその他の政治組織と活動を行ったことはありません。今後も現地パートナー団体と共に活動を続けていきます。」とビルギット・シュティフターは付け加えました。

写真:Sandro Somigli

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