ドイツ国際平和村の3つの活動の柱
1.子どもたちの治療援助
2.現地プロジェクト
3.平和教育
3つの活動 Friedensdorf International(ドイツ国際平和村)
(2023年10月発行小冊子)
1.子どもたちの治療援助
命をつなぎ、未来へつなぐ
日本やドイツに住んでいる人々にとって日常的なことが、紛争地域や危機的状況にある国々の人々にとっては、手に届かない貴重なものであることもあります。例えば、医療システムです。ケガを負ったり、病気にかかったりしても、治療を受けられないのです。医療を受けることができていたら、健康を取り戻している人たちが、今も病気やケガに苦しみ、命を落としているのです。ドイツ国際平和村は設立以来、そのような人々に寄り添い、活動しています。
1967年の平和村設立当初から現在まで、紛争地域や危機的状況にある子どもたちへの「治療援助」は、ドイツ国際平和村の活動の柱の1つになっています。2020年現在、この援助活動を通して、アフガニスタン、アンゴラ、中央アジア、ガンビア、コーカサス地方などから子どもたちがドイツに来ています。
2.現地プロジェクト
持続可能な現地での援助:基礎健康診療所から異民族・異文化交流まで
ケガや病気を抱えた子どもたちにドイツでの治療機会を提供する治療援助活動から、ドイツ国際平和村の活動は始まりましたが、現地におけるプロジェクト活動も設立当初から重要視されていました。なぜなら、「人々の生活状況を改善し、将来人々が現地で安心して暮らすための活動も並行して行う必要があること」は、ドイツ国際平和村に関わっている人全員にとって明らかなことだったからです。子どもたちへの治療援助に加え、子どもたちの母国におけるプロジェクト活動も、ドイツ国際平和村の活動の柱となりました。
この現地プロジェクト活動は、将来現地の人々が、自分たちの力で活動や運営を行えることを目標としています。
具体的には、子どもたちの母国の医療インフラを整え、子どもたちが親元を離れドイツに来なくても、母国で適切な治療が受けられるようになることを最優先課題としています。
3.平和教育
平和へと向かう活動:1986年以来、ドイツ国際平和村・平和教育部門は、心揺さぶる出会いを提供しています
ケガの手当てをするだけでは、戦争に対抗しているとはいえず、さらに、平和な世界を維持するために何かをしたともいえない。そのようにドイツ国際平和村は考えます。世界平和は向こうからやって来てくれません。敵対という古い概念を持たない新しい世代が必要です。
ドイツ国際平和村の設立当時から現在までこの趣旨は、ドイツ国際平和村・平和教育部門が活動を続ける原動力となっています。
紛争で傷ついた子どもたちに対する活動のみに目を向けるだけでは、広義における平和活動を進めていくには十分ではありません。
それは、ドイツ国際平和村設立の際に一致した意見でした。ドイツ国際平和村・平和教育部門は、教育的視点から平和ために持続的な活動を行うことを指針として、1986年に設立されました。この活動で軸としていることは、平和村施設を訪れる児童・青少年グループへ「心揺さぶる出会い」を提供し、多くの人々にし、「全ての人々の平和な共生に誰もが寄与できる」ということをに示していくことです。