
子どもたちへの治療援助、緊急支援と現地手術プロジェクト
ドイツ国際平和村は、2027年に設立60年を迎えます。60年近く、活動の核をなしてきた紛争や危機的状況にある個々の子どもたちへの治療援助は、複雑な構成で成り立っているため、その実践においても、寄付者や関心のある人々への説明に関しても、容易にできるものではありません。アフガニスタンとその周辺国、そして、アンゴラへのチャーター便を利用しての援助活動には、非常に多くの関係者が関わっています。このチャーター便で、治療を必要としているけがや病気を抱えた子どもたちをドイツに連れてきて、数日後にドイツでの治療を終えた子どもたちを母国に送り届け、何トンもの援助物資を輸送しています。すべてが円滑に機能するためには、国内外の信頼できるパートナーと、今までの経験から練り上げられた作業が必要です。それを踏まえ大切にした上で、ドイツ国際平和村は、変化する状況に柔軟に対応し、援助活動を拡大する必要があると考えています。2025年も、援助活動を取り巻く環境に対応し、支援を広げていきました。
2025年、チャーター便を使用した援助飛行は、アンゴラへ1回、アフガニスタンと中央アジアへ1回、行いました。その他、路線便でもドイツへ子どもたちを受け入れ、2025年内、合計で150人の子どもたちが渡独し、77人が帰国しました。
この個々の子どもたちへの治療援助活動に並行して、現地手術プロジェクトと緊急支援を強化しました。
「昨年、子どもたちへの治療援助活動を安定した状態で継続できたことを嬉しく思う一方で、この活動のニーズが急激に増加していることも認識しています」と、ドイツ国際平和村代表、ビルギット・シュティフターが言います。「特にアフガニスタンでは、支援を求める家族たちが、現地入りしたスタッフに、文字通り押し寄せました。」この膨大なニーズに少しでも対応するため、現地手術プロジェクトにより多くの資金を投入しました。アフガニスタンでは、現地手術プロジェクトを2023年末に開始し、カブールにある病院で、軽度の骨髄炎を抱えた子どもたちが手術を受けられるよう、資金援助しています。2025年に、泌尿器科手術が可能な3つ目のクリニックが、このプロジェクトに新たに追加され、昨年は合計57件の手術が実施できました。
アルメニア、ウズベキスタン、北イラク/クルディスタンなどの他の国々でも、現地のパートナーや病院、担当医師と緊密に連携しながら、現地手術プロジェクトを進めています。このプロジェクトによって、子どもたちは母国で治療を受けることができます。
さらに、アフガニスタンで、MER(移動式クリニック)が2025年末から稼働を開始し、アフガニスタン各地で子どもたちの診察と治療を行い、災害時には被災地に駆けつけています。また、ドホーク(クルディスタン/イラク北部)でも、MER(移動式クリニック)の医師や医薬品のため、資金援助を行っています。


現地プロジェクト活動には、ドイツ国際平和村基金からの収益も活用しています。2025年も継続・拡大し、例えば、カンボジアで進行中の社会福祉事業や、活動国での食糧物資支援などに充てられました。
ドイツにおいて、無償治療の受け入れ状況は厳しいままです。
母国で手術を受けられることは、子どもたち自身とその家族にとって嬉しいことです。ドイツ国際平和村が資金援助することで、家族自身では負担できない手術が母国で可能となり、同時にドイツでの治療滞在による長期の別れも回避できます。「しかし、現地で可能な手術に限りがあるという現実も直視しなければなりません。また、治療のためにドイツに受け入れても、なかなか治療が進まないケースもあります。一つには、無償治療の受け入れがドイツ国内全体的に不足していることがあります。二つ目に、複雑で重度の症状の治療には、ドイツでも専門家が必要ですが、その医師が不足しています。ドイツの日常生活においては、発症することが少ないからという理由もあります。」と、シュティフターが総括します。

ドイツ国際平和村の施設内にあるメディカルセンターでは、手外科などの小規模な手術を引き続き実施しています。2025年には、ボランティアの医師たちによって、105件の手術が行われました。

安定した寄付金収入
ありがたいことに、2025年の一般寄付項目において、安定した寄付額を確保できたため、ドイツ国際平和村は、医療・手術分野に加え、災害発生直後に被災者、特に多くの子どもたちを支援する緊急支援をさらに提供することができました。
アフガニスタンだけを見ても、度重なる大地震、洪水、そして最近では大降雪に見舞われ、2025年内に、13の緊急医療支援セットを届けました。WHOの基準に基づいて梱包された救援物資セットには、最大1万人分の医療資材と医薬品が含まれており、1セットの平均価格は約3万ユーロです。
アフガニスタンからは、他の援助団体のほとんどが離れてしまい、ドイツ国際平和村はほぼ単独で活動しています。「アフガニスタンは荒廃していますが、現地の人々や子どもたちも自分たちの未来のために勇敢に、懸命に生きています。私たちは彼らの希望をつなげていきたいです。」と、ドイツ国際平和村スタッフ、クラウディア・ペップミュラーが、活動を続ける動機について述べています。「現在では、以前よりも一つ一つの支援活動についてより具体的に報告し、市民の皆さんからのご協力を求めるようにしています」と彼女は続けて説明します。「現在、寄付をくださる皆さん自身も、生活資金を節約しなければならないというプレッシャーにさらされていることが多く、寄付に対して堅実的にならざるを得ません。私たちはそれを理解しており、最大限の透明性を確保ししたいと意識しています。」
緊急医療支援セットに加え、食糧物資支援セット、毛布、乳児用食品、衛生用品をアフガニスタンの様々な州に配布しました。2025年12月には、タイとの国境紛争が再燃したカンボジアで避難生活を送る家族たちのために、衛生用品や食糧物資の支援も行いました。昨年、6カ国へ合計434トンの援助物資を配布し、緊急事態に対応するとともに、できるだけ多くの負傷した子どもたちが重篤な状態や生命を脅かす状態にまで陥らないようケアを行いました。また、ドイツに治療のために受け入れ、治療を終えて帰国した「かつての子どもたち」に、後続治療として必要な医薬品を提供しました。厳しい冬を乗り越えるための食糧を、タジキスタンの多くの母親家庭とその子どもたちを含む家族たちに分配する支援も行いました。

平和教育活動を引き続き推進
2025年、ドイツ国際平和村平和教育機関による平和教育活動は、引き続き重要な活動として、実施されました。昨年は、90以上のグループ(その多くは学校クラス)の総勢2000人以上が、ドイツ国際平和村施設内の「出会いの場」を訪れました。2025年ドルフフェスト(一般公開のお祭り)では、オーバーハウゼン市の他の団体と協力して企画・実行した「Youth4Peace オーバーハウゼン市青少年平和賞」の授与も行いました。国内外の個人や団体からの応募作品は、審査員を魅了し、青少年たちが平和という概念をどのように解釈しているか、そしてなぜ平和のために努力し続けることが意味があるかを、多様かつ創造的な方法で示していました。
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