イラク北部の状況

ドイツ国際平和村は、可能なことをあきらめずに実施していきます。​

多くのメディアが世界上で現在起こっている紛争や危機的状況に注目している一方で、イラク北部のクルディスタン地域にある難民キャンプの人道的状況も劇的に悪化しています。シリアからの国内避難民や、ヤズディ教を信仰する避難民など、約1万人もの人々が何年も不安定な状況で暮らしています。さらには、このような状況から、今まで支援を続けてきた援助団体も、この地域から撤退するようになりました。

5月初旬、ドイツ国際平和村代表とスタッフがシリア北部とイラク北部を現地視察のため、訪問しました。イラク北部の都市ドホークにある難民キャンプの様子に、スタッフは深い衝撃を受けました。

「キャンプの現状は非人道的です。十分な医療環境とはほど遠い状況です」と、ドイツ国際平和村代表、シュティフターが印象を語ります。この地域にある約40の難民キャンプには、ごみがあふれ、清潔な水や食料はかなり不足しています。医療は最低限にまで縮小されています。その最低限の医療を提供するにしても、停電が日常茶飯事となっているので、ワクチンや医薬品を保管することがほとんど不可能なため、医療供給は困難な状況です。

このような現状に対応するため、ドイツ国際平和村は、子どもたちに医療を提供する現地医師の手配に関して資金援助を行っています。将来的には、この医師が移動しながら医療を提供できるよう、「4輪の治療室」を整え、近隣の病院への移動が可能になるよう支援を検討しています。「現地の状況下では、基礎医療を人々に確保できる唯一の方法です」と、シュティフターが言います。

今回の渡航中、イラク北部の都市ドホーク市で、ケガや病気を抱えた子どもたちとその家族に面会しました。ここでも困難な状況を目の当たりにしました。というのも、ドイツでの無償での治療自体が困難なため、現地での治療を可能にする必要があるからです。ただ、イラク北部で医療を直接提供するには、その分の資金が必要です。「より寄付金への依存度が高まっています。」と、シュティフターは言及します。

様々な困難にかかわらず、ドイツ国際平和村は、設立以来、「どこに住んでいようとも危機的な状況にいる困窮した子どもたちを援助する」方針を守り続けていきます。現在、クルディスタン地域の人々は、かつてないほどに助けを必要としています。​

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