タジキスタン 現地からの報告
ドイツ国際平和村スタッフが、9月21日から28日までタジキスタンに滞在しています。現地からの報告をお知らせします。
【2024年9月28日(土) タジキスタン・ドゥシャンベ】
あと2時間ほどでドイツへ戻るために空港へ移動します。最終日は、丸一日雷雨となりました。暑い夏にようやく降った雨です。タジキスタンでは地域によっては、日中58度にまで気温が上がります。
どんなに暑くとも、サリナとマウルダによる理学療法プロジェクトは毎日行われています。彼女たちのプロジェクトは、母親や子どもたちへの指導を含めた内容で、専門的で熱心な彼女たちの姿勢に感心させられるとともに、プロジェクトの重要さを実感しました。
【2024年9月26日(木) タジキスタン・トゥルスンソーダ】
この写真の子は、とても勇敢で賢い子です。食糧物資を配給する列に並ぶ女性たちの中、ぽつんと一人で立ち、自分の番が来るのを待っています。
4歳になるアブドゥル・ファイズは、両親とではなく、近所に住む女性と一緒に食糧物資を受け取りにきました。彼の母は、最近出産したばかりで、父親は道沿いで炭を売って生活の糧を得ていると、この地域(トゥルスンソーダ)で女性支援プロジェクトを運営しているボヌが教えてくれました。ボヌは、食糧支援物資の配給もこの地域で行ってくれています。
アブドゥルの両親はアブドゥルの目の治療と2人目の子の出産で、多くの出費が必要になり、借金をかかえるほどになったそうです。だからこそ、食糧支援物資は、アブドゥルの家族にとって、とても貴重なのです。4歳のアブドゥルは、このような状況を理解し、食糧物資を受け取りにきたとのことでした。
【2024年9月25日(水) タジキスタン・ドゥシャンベ】
タジキスタンに滞在中、劣悪な環境で生活している人々を目にします。多くの家族は、十分な収入を得られていません。そのような家族にとって、食糧支援物資は、彼らの生活の手助けになるだけではなく、世界のどこかに自分たちのことを気にかけてくれる人がいるという希望にも繋がっています。「こんな遠いタジキスタンまで食糧を届けてくれる人がいるのだから、私たちは、あきらめてはいけません。生きる力をくれてありがとう」タジキスタン滞在中、多くの人にこのような言葉をもらいました。この言葉はこのメッセージを読んでいる皆さんをさしています。皆さんの支援があるからこそ、ドイツ国際平和村は活動を続けていけるのです。ありがとうございます!
【2024年9月24日(火) タジキスタン・ドゥシャンベ】
ドイツ国際平和村のタジキスタン現地パートナースタッフは、過去数十年かけて現地でのネットワークを構築してきました。そのおかげで、医療支援活動と現地プロジェクト活動を様々な協力を得て、実施することができています。昨日は、現地プロジェクト活動に参加している家族たちのもとへ食糧支援物資を届けにいきました。食糧物資をクボディジョン、ドチリクル、ジャイフン、クルガン-チュベの各地で配布し、良い知らせと共に首都ドゥシャンベに戻りました。
タジキスタンでは、今まで親族間での結婚が認められていましたが、最近、この法律が変わり、親族間での結婚は認められないと基本法に明記されました。これはとても重要な法律です。現地の人々は、脳性麻痺で生まれる子どもの90パーセントが親族間での結婚が原因であると認識しています。ある小学校教師がこう話してくれました。彼女は最初の夫との間に10人の子どもを授かりましたが、いづれも重度障害を抱えており、その10人は全員亡くなりました。血縁関係のない2番目の夫との間には3人の子どもがいます。そのうち、2人は健康に生まれました。悲しいことに、つい最近夫を亡くし、現在、シングルマザーとして子育てをしています。教師である彼女の収入は少なく、薬が必要な息子の薬代が支払えないといいます。成人したもう一人の息子が支援をしていますが、そのために大学を中退せざるを得なかったそうです。彼女は、息子がより良い生活を送れる未来を奪ってしまったことに罪悪感を感じていると話しました。
【2024年9月22日(日) タジキスタン・ドゥシャンベ】
タジキスタンの首都ドゥシャンベでの食糧支援物資の配給に同行しています。その際にドイツ国際平和村が現地プロジェクト活動として資金援助をしている理学療法プロジェクトに参加している家族を訪問し、その家族へも食糧物資を届けました。写真をみてください。マウルダ(写真奥)が訪問ケアをしています。11歳のマービラト(写真手前)、1歳年上の姉スロラ、そして弟のアブバク(写真奥)は、生まれつき身体能力に制限があります。
アブバクは寝たきりで、骨までやせ細り、「前足の姿勢」で横たわっています。彼の顔を撫でると、まるでそれを楽しんでいるかのように目を閉じました。マービラトは座って目を見開いて私たちを見ています。母親によるとマーラビトはそれほど手がかからないそうです。彼女の姉からは目が離せないそうで、「彼女は逃げ出すと、近所の家さえも破壊してしまうんです。これは病気による衝動的な行動によるものです。精神安定剤を飲まなければならないのですが、そんな余裕はほとんどありません」と母親は恥ずかしそうに話しました。
この家族に食糧物資を渡すと、とても安心していました。少なくとも1カ月は食糧の問題がないとうだけではなく、食事にかけていたお金を子どもたちの薬に使うことができるからです。
【2024年9月21日(土)タジキスタンで家族と再会!】
2024年9月20日(金)に治療を終えて帰国した子どもたち3名が、翌日夜中1時にタジキスタン・ドゥシャンベの空港に到着しました。家族たちは子どもたちの帰国を心待ちにしていました。空港には夜中にもかかわらず、多くの親戚たちも集まり、35名ほどが3人の子どもたちの帰国を出迎えました。家族と子どもたちの再会のシーンは、とても感動的なものとなりました。
【2024年9月20日(金) タジキスタンへの帰国】
治療を終えたタジキスタンの子ども3名が、母国へと帰国しました!もうすぐ家族と再会できます。
Schreibe einen Kommentar