ナゴルノ・カラバフをめぐる紛争の激化
子どもたちの未来に暗雲
「全ての子どもたちに未来を」―今年の世界こどもの日のモットーです。ドイツ国際平和村も設立以来56年間の活動の中で日々願っていることです。世界こどもの日の前日9月19日、何千人もの子どもたちの未来が奪われるようなニュースが入ってきました。アゼルバイジャンによるナゴルノ・カラバフへの軍事行為についてです。ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンに囲まれていますが、そこに住む大多数がアルメニア人の地域です。ナゴルノ・カラバフに住む人々にとって、明日や未来といったことは考えられず、今ここでどのように生き延びるかが問題です。ドイツ国際平和村は、コーカサス地方でのさらなる緊迫した事態を懸念しています。さらには、現地の子どもたちのことを想い、軍事行為の早期終結を要請します。
数か月にわたってくすぶっていたアルメニアとアゼルバイジャンの紛争状況に、9月初旬までは緩和へのかすかな希望が残っていましたが、9月19日、この希望は打ち壊されました。長い間苦しみ続けてきたナゴルノ・カラバフの人々にとって、悲しみは頂点に達してしまいました。数カ月もの間、唯一アルメニアとナゴルノ・カラバフを結んでいるラチン回廊が封鎖され、人々の生活インフラは機能しないままです。食糧、衛生用品、乳児用食品などが、不足しています。数日前、数トンの小麦粉が運び込まれましたが、この壊滅的な状況はかわらず、紛争が緩和するかもしれないという希望を掻き立てるだけでした。
ナゴルノ・カラバフの子どもたちの命は脅かされています。一つのパンのために、数か月も食糧配給所で並び続けています。今回の危機が激しくなる前も、十分な栄養を得れていたわけではありません。ここ数週間で、医薬品や医療物資が不足し、医療インフラも壊滅状態に陥りました。今後の展開がどうなるのか想像がつきません。
「人々が平和的な解決方法をとらず、罪なき子どもたちへさらなる被害をおよぼすことに、深い衝撃を感じます。」と、ドイツ国際平和村代表ビルギット・シュティフターが言います。「アルメニア現地パートナー、そしてドイツ国際平和村は、この紛争で苦しんでいる人々のことを忘れません。暴力行為の早期終結を願います。世界中の一人一人の子どもたちに未来が必要です。それは、ナゴルノ・カラバフの子どもたちも同じです。」
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