ドイツ国際平和村の設立日に際し

健康で平和に生きる未来のために ~設立日に際し~

今から56年前ドイツ・オーバーハウゼン市の市民たちは、ドイツ国際平和村の施設が数十年後にどうなっているか想像もつかなかったことでしょう。当時、中東やイスラエルでケガや病気を抱えた子どもたちを救うために始まった活動は、あっという間に世界中の子どもたちが一緒に暮らし、共に健康になる小さな社会を築き上げました。アフガニスタン、アンゴラ、イラク、カメルーン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、そしてガンビアから治療のために渡独した子どもたちは、文化背景も宗教も母国語も異なりますが、互いにコミュニケーションをとり、助け合い、それら子どもたちの姿は、未来への希望となっています。

互いを尊重することは、一緒に生活する中で最も大切なこと
小さい子どもたちが生活している建物は、唯一1967年の設立当時から残っているものです。ここで生活している子どもたちは2歳から6歳くらいまでの子どもたちです。入口を入ると、楽しそうな笑い声が聞こえてきて、「ハロー」と明るく声をかけてきます。初めて会う人には、「名前教えて!」「ここで働くの?」など、気さくに質問を投げかけてきます。子どもたちのエネルギーに圧倒されますが、少し時間をかけて観察していると、子どもたちがお互いに助け合う様子を目にすることでしょう。そして、子どもたちが平等でいることにも気がつくと思います。例えば、おやつがあれば、一人ひとり必ず同じ量が分配されます。もらっていない子がいたら、他の子がスタッフにきちんと伝えます。もちろん、お互いにリスペクトをもっていても、子ども同士のけんかはあります。ただ、子どもたちは、すぐに解決方法を探します。そして、けんかの際にもお互いを尊重し、平等であるということは忘れずにいます。ドイツ国際平和村では、ケガや病気、出身国、宗教、母国語に関わらず、子どもたちは常に平等に扱われています。

平和な未来への希望
子どもたちの部署は、設立者たちが想像できなかったほど成長をしています。子どもたちは治療を受けているだけではなく、たくさんのことを学んでいます。世界中のすべての人々がドイツ国際平和村の子どもたちのように相互尊重を示すことができれば、世界は確実に平和に一歩近づくでしょう。平和村施設の中にある動力を見ていると、世界を悲観することもなくなります。子どもたちが共に助け合い、共に暮らしていける様子を見ることで、私たちが学ぶことがたくさんあります。

設立から56年が経過した現在も、当時の設立者たちが願っていた「平和村が必要なくなる世界」には、残念ながら、たどり着いていません。今言えることは、この56年で、多くの子どもたちが相互尊重すること、平等であることをドイツ国際平和村で経験したという事実です。彼らは、それぞれの母国にそれらを持ち帰っています。子どもたちこそ、平和な未来への希望です。

写真:André Hirtz

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