カンボジアにおける持続可能な支援
2019年9月18日から24日、ドイツ国際平和村スタッフのトーマス・ヤコブスとクラウディア・ペップミュラーが、カンボジア現地パートナースタッフのヘング氏とともに現地プロジェクト活動の視察をしました。
2002年から、ドイツ国際平和村は、カンボジアにおける現地プロジェクト活動を行っています。カンボジアでは、ゴミ山で生活する家族やその子どもたちへの支援として幼稚園プロジェクトとサーカスプロジェクト、加えて医療が行き届かない地域への基礎健康診療所建設を行っています。
現在、カンボジアのバタンバン市は雨季です。広大なゴミ山から子どもたちの笑い声が聞こえてきます。この子どもたちにとって、ゴミは生活の一部です。家族はゴミ山で暮らしているだけではなく、ゴミ山から見つけられるもので生活の糧を得ています。2013年以降、ドイツ国際平和村は、„Thüringisch-Kambodschanische Gesellschaft e.V.“(チューリンゲン・カンボジア協会)と共に教育を目的としたプロジェクトとして幼稚園プロジェクトやサーカスプロジェクトに資金援助をしてきました。「子どもたちは、このプロジェクトを通して、衛生に関することを多く学びます。また、英語などの科目の授業もあります。プロジェクトでの経験を通し、モチベーションを得た子どもたちの成長が、年々見受けられます。ゴミ山で生活する家族の4人の子どもたちが、現在学校に定期的に通っているそうです。定期的に学校に通えるなんて、数年前には想像することもできなかったと家族が話してくれました。ドイツ国際平和村の活動は、ゴミ山で生活する家族の考え方に変化をもたらしています。そして、この変化こそ、ドイツ国際平和村が目指していることなのです。」とドイツへ戻ってきたトーマス・ヤコブスとクラウディア・ペップミュラーが報告します。
写真説明「幼稚園プロジェクトやサーカスプロジェクトに参加する子どもたちには、温かい食事が提供されます。」
今回の現地視察では、基礎健康診療所への訪問もありました。ドイツ国際平和村が資金援助をして建設した基礎健康診療所は、現在カンボジアに35ヶ所あります。これらの診療所では、医療制度が整っていない地方に住む貧困層の人々へ基礎医療を提供しています。診療所では、世界保健機構の基準により予防接種が受けられるだけではなく、出産に際してのアドバイスや妊婦への定期検診、さらに衛生指導も行われています。
トボンクモム州にある27ヶ所目基礎健康診療所では、嬉しい再会もありました。「この診療所の目の前に仏塔があり、そこで生活している僧侶が、この診療所建設のために土地を無償で提供してくれました。その当時、僧侶がトーマス・ヤコブスとの会話の中で、背中に痛みがあるという話をしていました。その際、背中の痛みを和らげるための運動などを教えたこともありました。現在、この仏塔では14日間の供養祭(お盆)が行われています。今回、その仏塔で、当時の僧侶に再会することができたのです!そして、僧侶は背中のための新しい運動方法を教えてほしいと笑顔で話していました。」とトーマス・ヤコブスが語ります。
ドイツ国際平和村が資金援助をしている基礎健康診療所プロジェクトは、目的にそって確実に機能しています。2020年も引き続き、このプロジェクトを支援する予定です。今回、プレイベーン州ピアムコアー郡にある36ヶ所目となる基礎健康診療所の建設予定地を訪れました。現在、この土地には波型のトタン板でできた診療所が存在しています。近々これを取り壊し、ドイツ国際平和村が資金援助して、新しい建物に立て替える予定です。
Schreibe einen Kommentar