アフガニスタン援助飛行準備 ~現地からの報告~
2026年8月2日(日)より、ドイツ国際平和村スタッフが援助飛行と現地手術プロジェクトの準備でアフガニスタンに滞在しています。以下、現地入りスタッフからの報告です。
【2026年8月8日(土) アフガニスタン・カブール】
子どもたちの面会には、真夜中にやってくる家族もいます。その日の順番券を受け取るために、午前3時頃にはすでにアフガニスタン赤新月社の門前に家族たちが並んでいます。ここ数日、ケガや病気を抱えた子どもたちを連れて、毎日数百人ほどが、面会をする施設へやってきます。多くの人が遠方からやって来ていました。面会を待つ人々のなかには、アフガニスタン赤新月社の敷地内で夜を明かし、小さな緑地を待ち合わせや睡眠の場として利用した家族もいました。
長年協力関係にある現地パートナー団体のアフガニスタン赤新月社との協議のもと、トルコ赤新月社が3日間にわたり、待機中の家族たちに昼食を提供してくれました。
この支援が、人々にとってどれほど大きな意味を持つものだったかは、彼らの表情を見れば、すぐにわかります。アフガニスタンにおける食糧事情は、極めて厳しいものです。以前にも報告した通り、栄養失調の子どもたちに遭遇する機会が増えています。だからこそ、今回の食糧支援は、大変心強いものだったと想像します。
子どもたちやその家族たちの目に宿るこの輝きを、決して忘れません。ドイツ国際平和村の活動にとっても、トルコ赤新月社による連帯支援は、心強いものです。各団体が協力し合い、今何が必要かを把握し、行動にうつす。今の世界が必要としていることを、知ることができました。
【2026年8月7日(金) アフガニスタン・カブール】
昨年、ある男の子とその家族と知り合った当時、彼に対しての心配は尽きませんでした。幾度も手術を受けていましたが、うまくいかず、家族は今後どうすればよいのか途方に暮れていました。その一方で、家族はまだ彼を助けることができるのではないかという希望も抱いていました。
だからこそ、この再会はドイツ国際平和村のスタッフにとって、感動的なものとなりました。男の子は輝くような笑顔を浮かべて私たちのもとへ駆け寄り、泌尿器科の手術を受けてから、とても元気になった様子を誇らしげに見せてくれました。彼の喜びは周囲にも伝わり、両親や親族の顔にも安堵の表情がはっきりと見て取れました。この家族たちがとても幸せである姿を見れたことは、今回の滞在で最も素晴らしい瞬間のひとつです。
彼は生後間もなく、先天性の尿路異形のため、手術を受けなければなりませんでした。しかし、最初の残念ながら成功しませんでした。その後、さらに2回の手術が行われましたが、家族は多額の借金を負うことになりました。今でも彼らはその借金を返済し続けています。
この活発な男の子は、昨年ドイツ国際平和村の現地手術プログラムに受け入れられ、カブールの協力病院で手術を再度受けることができました。将来的に排尿をコントロールできるようにするため、引き続き定期的に膀胱のトレーニングを続けています。
こうした出会いは、医療支援が、将来的に周囲や本人を、明るい将来へ導くことを示してくれています。
【2026年8月5日(水)アフガニスタン・カブール】
アフガニスタンに来てから3日経ちました。ドイツ国際平和村は、病気やけがを抱えた子供たちが、ドイツもしくはアフガニスタン国内で手術を受けられるかどうかを判断すべき面会を続けています。何百人もの親たちが娘や息子を連れてやって来ます。中には、地方から首都のカブールへ来るために、何日もかけて移動してきた人もいます。子どもとその家族たちが待つ会場は大変蒸し暑いのですが、彼らは辛抱強く順番を待ちます。栄養失調がひどく、餓死寸前の子どもたちもその中にはいます。
面会に腫瘍に蝕まれ、死期が近い子どももやってきます。その親たちに、彼らを助けることは不可能ということを伝えます。親たちもどこかそのことを理解しているようですが、それでも希望を捨てず、奇跡を信じようと面会にやってきたようです。残念ながら、ここには起こせない奇跡も存在します。
重度の骨髄炎を患う子どもたちや、脂肪も筋肉もなく、ただ骨だけの子どもたちの姿も目にします。多くの親は極貧の状態にあり、子どもたちを助けるために借金を抱えなければならない場合もあります。こうした人々の目を見つめると、時にはこう思うことがあります。民族全体を安易に非難する人々は、一度この場に立ち会うべきではないかと。
アフガニスタンの状況は依然として極めて厳しいです。トランプ政権によるUSAIDの解体を受けて、多くの診療所が閉鎖されています。政治情勢を理由に、多くの支援団体が撤退しています。パキスタンやイランから強制送還されたアフガニスタン人の膨大な流入が、同国に重くのしかかっています。今年、洪水災害により再び多くの村が水没しました。パキスタンとの国境では戦闘が繰り広げられ、村々に爆弾が投下されています。こうした状況の中で、人々、特に子どもたちが苦しんでいます。
文章:ヤン・イェッセン
【2026年8月4日(火) アフガニスタン・カブール】
アフガニスタンで治療を必要としている子どもたちの面会をしているスタッフのところへ、特別な訪問者がやってきました。かつて平和村で治療を受けたある男の子です。彼はドイツで2年以上にわたる治療を経たあと、昨年、無事母国の家族のもとへ戻ることができました。
当時、彼は太ももに重度の骨髄炎を患っていました。数週間前、再び股関節周辺に痛みを感じ、炎症がが再発したのではないかと心配して、面会にやってきました。確実な診断を受けるため、ヘルマンド州からカブールまで、何時間もかかる長い道のりを移動してきました。検査の結果、すべてが正常であることが判明し、彼はとても安心した様子でした。厚底の整形靴が成長とともに合わなくなり、それで痛みがでているようでした。スタッフは、彼に現地での義肢装具工房を紹介し、彼は新しい整形靴を手にすることができることになりました。その義肢装具工房では、以前、平和村で治療支援を受けた「かつての子ども」が働いています。その彼は、1980年代後半に治療のためにドイツへ渡り、今では義肢装具を必要とするアフガニスタンの人々の支援していると語りました。
再診断にきた男の子と話しているときに、10歳くらいの少年が手押し車に乗せられて面会にやってきました。重傷を負った両足は、複雑なギプスで固定され、木製の副木で動かないようにされていました。家族の絶望感がひしひしと伝わってきました。以前、平和村で治療を受けた男の子は、その状況を見て、すぐに通訳として状況を説明するのを手伝ってくれました。治療を必要としているこの少年は、アフガニスタンの現地手術プロジェクトの一環として現地で手術・治療を受けられることになりました。
こうした出会いは、ドイツ国際平和村の支援が、子どもたちの帰国で終わるわけではないことを示しています。かつてドイツ国際平和村に治療のために滞在していた子どもたちが、元気になり、その後母国で困難な状況にある人々を支える側になっていることを実感する出会いでした。
【2026年8月2日(日) アフガニスタン・カブール】
2026年8月1日(土)、ドイツ国際平和村のスタッフが、治療を終えた子ども一人と一緒にアフガニスタンへ飛び立ちました。ようやく母国へ帰国できる!と機内で待ちきれない様子の子は、「ドイツにいる期間を数えてみたんだけど、2年8ヶ月だったよ」と、期待に胸を膨らませてそう言いました。
ほぼ3年の間、子どもの帰国を待ち続けていた家族との再会の瞬間は、感動的でした。喜び、抱擁、そして幸せいっぱいな笑顔――こうした瞬間こそが、ドイツ国際平和村の活動の意味を物語ります。長い治療期間を経て、子どもが健康な姿で愛する人たちの元へ戻れるのを見られることは、何よりも特別な贈り物です。
今回、ドイツ国際平和村のスタッフたちは、11月に予定されている援助飛行の準備で、アフガニスタン入りをしています。現地パートナー団体「アフガニスタン赤新月社」と共に、子どもたちの診察と面会を開始しました。今日一日で、アフガニスタン赤新月社には、病気やけがをした子どもたちとその家族の600家族以上の診察予約を割り当てました。面会や診察を通し、アフガニスタンでの現地手術プロジェクトやドイツでの医療支援の可能性を決定していきます。







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