医療支援を受け、将来の希望を胸に母国へ帰国!
ドイツ・オーバーハウゼン市にあるドイツ国際平和村の施設で、男の子たちが2つのチームに分かれ、ボールを追いかけています。中には身体的に不利に見える子どももいますが、驚くべき才能を発揮しています。マルシオもその一人です。右靴の下には厚く目立つソールがついています。外は寒く、BVB(ボルシア・ドルトムント)の黒と黄色のニット帽子をかぶっています。「ロイスが好き!」と彼は言います。しかし、メッシ、イニエスタ、ネイマール、テルステーゲンのいるFCバルセロナの方がもっと好きだそうです。
マルシオはとても気さくな子です。彼はドイツに、二度滞在しています。治療に時間が必要だったため、1年以上の長期滞在をしていました。そのおかげで、彼の症状はよくなりました。1回目の滞在は2018年5月から2021年7月まででした。マルシオは右大腿部の慢性骨髄炎に苦しんでいました。骨髄炎は何も治療をしなければ、生命の危機に関わることもあるため、緊急に治療が必要です。
医療支援を受けるために渡独する際の手続き等は、アンゴラ現地パートナー団体「Kimbo Liombembwa」が行います。入院したマルシオは、多くの手術とそれに続く治療を伴う複雑な治療プログラムを開始しました。この治療プログラムを終了するのに、長い時間を要しますが、その先には痛みなく過ごせる将来が待っています。
マルシオは治療開始当時、わずか7歳でした。とても我慢強く、すべての処置に耐えていました。「アンゴラで長い間、痛みに耐えてきたのでしょう。今ではとても自立し、自信を持って行動しています」と、ドイツ国際平和村のスタッフであるカトリン・フスカンプ医師は言います。手術や治療に長い時間がかかりましたが、経過は良く、その後、マルシオは母国に帰国しました。彼の家族は彼がこんなに元気になって帰ってきたことを信じられないほどでした。ただ、この時点ですでに数年後に再治療が必要なことはわかっていました。
マルシオは2023年7月、再びドイツへやってきました。検査の結果、骨の炎症の再発は確認されなかったため、次の段階の治療を問題なく始めることができました。マルシオの右足は左足より19センチも短いので、固定具を使用し、骨を伸ばす手術が必要とされていたのです。
彼の右膝は「錆びついて」おり、可動させることが必要なため、定期的なリハビリが必須でした。足指の機能が回復するには特別な運動プログラムが必要で、マルシオの体幹の筋肉も、腰や足と同様に治療が必要と判断されました。さらに左右の足の長さの違いを補うため、厚さ16センチの靴底が靴の下に装着されました。この靴のおかげで、歩行補助具なしで歩けるようになりました。マルシオにとって大きな前進です。
「彼は何でもできるようになりました」とフスカンプ医師が言います。「サイクリング、バスケットボール、サッカーなど、母国のアンゴラでスポーツを続けたいんです」とマルシオは言います。そして、特に楽しみにしているのが学校です。「英語とフランス語を話せるようになりたい。夢は建築家になること」と教えてくれました。
マルシオは現在14歳になりました。アンゴラへの帰国の日が近づいてきました。「ドイツ国際平和村の友だちだけでなく、スタッフにも会えなくなるのは寂しいです。」と話していました。マルシオはとても友好的で、控えめで、親切だと、スタッフたちは口を揃えて言います。
アンゴラでは、両親の他に2人の姉と2人の弟がマルシオを待っています。治療を無事終えたマルシオは、2月19日、14人の子どもたちとともに、帰国の途へ就きました。
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