写真左:タジキスタン現地パートナースタッフ、ザファー。11月初頭の援助飛行にて。
(写真:André Hirtz)
タジキスタン現地パートナースタッフ追悼
11月初頭、アフガニスタンと中央アジアの子どもたちの援助飛行を実施しました。アフガニスタンへの援助飛行は91回目です。多くの希望と支援を届けることができましたが、大きな喪失感に直面せざるをえないことがありました。
2024年11月6日、治療を終えた子どもたち51人が、ドイツ国際平和村がチャーターした飛行機で母国に帰国することができ、家族との再会を果たしました。そのチャーター機の折り返し便には、アフガニスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタンからの子どもたち、合計96人が乗り込み、ドイツで治療を受けるため渡独しました。
そのチャーター便に、長年活動を共に行ってきたパートナーであり友人でもある、タジキスタンのザファーも乗っていました。30年近くにわたって、タジキスタンの子どもたちの治療援助活動を支えてきました。そして、情熱をもって、タジキスタンでの現地プロジェクトにも尽力していました。例えば、食糧物資支援です。今年9月下旬にも、厳しい冬を乗り越えられるよう、困窮家庭や心身に重度の制限がある子どもを持つ片親家庭へ、主に基礎食品を分配しました。
チャーター機に同乗し、ドイツへやってきたザファーは、タジキスタンへ戻る際、首都ドゥシャンベでドイツでの検査と治療を終え帰国できた子ども2人を家族と引き合わせたあと、空港の駐車場で息を引き取りました。彼との予期せぬ別れに、全ての人々が心揺らされ、いまだに信じられない気持ちでいます。
「私たちはザファーとの別れをいまだ信じられずにいます。大変悲しい出来事です。ザファーの家族の心痛を思うと、胸がふさがる思いです。ドイツ国際平和村スタッフ一同、哀悼の意を表します。」と、ドイツ国際平和村代表、ビルギット・シュティフターは言います。ザファーは、活動を共にするパートナーであり、それ以上に友人であり、ドイツ国際平和村家族の一員です。「彼は、貧困家庭や心身に重度の制限がある子どもをもつ家庭を支援するため、献身的に活動にあたっていました。支援活動が彼の人生でした。」と、長年タジキスタンでの活動を共に行ってきたドイツ国際平和村のスタッフ、クラウディア・ペップミュラーが言います。ザファーは、亡くなる直前、ドイツ・オーバーハウゼン市でドイツ国際平和村のスタッフ、そしてアフガニスタン、ジョージア、ウズベキスタン、キルギス、アルメニアの現地パートナー団体スタッフと時間を過ごしました。それぞれの現地でのプロジェクト活動や、現地の様子、今後の活動の動向など、情報や意見の交換をしていました。「ドイツ・オーバーハウゼン市/ディンスラーケン市で、ザファーと食事をし、協働活動について話をするのが、これで最後になるとは誰も思いもしませんでした。」と、ペップミュラーは付け加えます。
悲しみは深いですが、「ザファーのライフワークの継続」はドイツ国際平和村にとって明確です。「彼の想いとともに持続していくことはとても重要です。タジキスタンでの現地プロジェクト活動、医療とリハビリ支援など、ザファーとともに私たちが構築してきた活動は、永続的でこれからも進展します。彼との思い出や彼の記憶を守るために。」と、シュティフターが強調します。
私たちは、ザファーと彼の想いを忘れません。彼の献身、たゆまぬ努力、優しさと温かい心は、私たちや彼が支援を届けた人々にとって、恒常的に模範となり続けるでしょう。「善い人よりも、そうでない人になるほうが簡単」 ザファーの言葉であり人生のモットーは、これからも変わることはないでしょう。
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