タジキスタン現地での活動再開!

-ドイツ国際平和村スタッフの現地報告-

7日間、7つの州、1500km。コロナ・パンデミックにより約3年間、タジキスタンを訪問することはできませんでした。そのため、ドイツ出発前から、タジキスタン訪問が多忙な日々になるであろうことは、わかっていました。しかし、ようやく現地入りでき、子どもたちの面会を再開できるようになることへの喜びを胸にドイツ国際平和村スタッフはタジキスタンへ向け出発したのです。2022年6月5日(月)、ドイツ国際平和村スタッフはタジキスタンの首都ドゥシャンベに到着しました。そして、タジキスタン現地パートナー団体とともに、ケガや病気を抱えた子どもたちと面会しました。合計で約300人の子どもたちと面会し、この度、ドイツに戻りました。現地入りしたスタッフにとって最も印象に残ったのは、現地の人々の貧困状況です。

タジキスタンは、中央アジアの最貧国の一国に数えられます。1千万人近くとなる人口の大部分は地方の田舎に住み、農業を営み、家族全員で支えあっています。例えば、両親が畑仕事をしている間、子どもたちが家畜の世話をするという生活です。タジキスタンの約80%の人々は、定期的な収入を得ることができていません。

貧困による医療格差

医療がいきわたっているのは、ほぼ首都ドゥシャンベのみです。タジキスタンでは、薬、診療、手術、入院費用は、各自が支払います。そして、患者の家族が身辺の世話をします。多くの家族は、ドゥシャンベまでの移動費を工面することができません。ウクライナ戦争による物価の高騰も押し寄せている中、ますます交通費を出すことが困難になりました。そこで、今回ドイツ国際平和村のスタッフが、様々な州へ向かうことにました。スタッフにとっては、タジキスタンという国や人々の状況を知る機会となりました。首都ドゥシャンベからタジキスタン南部へ向かい、アフガニスタンとの国境にある小さな村を訪れ、1週間で合計約300人の子どもたちと面会しました。通常の面会・訪問より多い人数となりましたが、現地パートナーのザファー氏は、「もっと多い人数になるのではないかと思っていました。今回、2カ所は初めて訪れた場所です。まず、人々との信頼関係を築かなければなりません」と言及しました。

面会は、それぞれ訪れた市町村にある医療的ケアが必要な子どもたちのリハビリ施設で行われました。クルガンテッパ市だけは特例で、二ゴラの家で面会が実施されました。二ゴラは、1999年から2000年まで、火傷の治療のためドイツ国際平和村の支援を受けていました。二ゴラの両親は、二ゴラが治療を終えてタジキスタンへ帰ってきた後、二ゴラのような子どもたちを助けるため、オフィスを開設しました。二ゴラにとって、ケガや病気を抱えた子どもたちの面会の手伝いは重要です。「子どもたちがどんな気持ちでドイツに行くか、そして家族の気持ちもわかります。私も治療が必要でしたが、今こうして元気に生活できていることに感謝しています。」と語ります。

面会には、心身の働きに制限がある子どもたちを連れた家族が多くやってきました。タジキスタンでは、専門家の付き添いなしに自宅で出産を経験する女性が多いです。母体や新生児にとって危険が伴います。「私の赤ちゃんはまさに私からはぎとられました」とある女性が言いました。適切でない出産によって障害を抱え、家族全体が負担を抱えることになります。特に地方では、家族が生きていくために猫の手も借りたいほどの状況なのです。

ドイツ国際平和村は2016年、タジキスタンでの現地プロジェクト活動として、理学療法が行える施設の設立を資金援助しました。このドゥシャンベにある施設では、理学療法が施され、家族へは対応の仕方などの講習を提供しています。家族の負担軽減にもつながっています。また、2019年からは、理学療法士チームの訪問リハビリもプロジェクトとして支援しています。しかしながら、パンデミックのため、2年間中断しなければなりませんでした。

ドゥシャンベのプロジェクトには、看護師兼理学療法士であるSarinaとマッサージ師のMavludaが従事しています。何年も勤務していますが、子どもたちとのかかわりは彼女たちにとってはルーティンではありません。「同情を完全に消すことができません。」とSarinaが現地入りしたスタッフに言いました。彼女は、子どもたちや家族に寄り添い、アドバイスをしています。「生まれてきた子どもが障害を抱えているために父親が家族から去ったという話を聞いたとき、怒りに震えてしまいました。」と語ります。女性は一人で子どもたちを抱え、育てています。医療提供に加え、啓蒙活動もこの国で大変重要な課題です。

今回の訪問でも、ドイツ国際平和村の支援を受けた「かつての子どもたち」に会うことができました。ドイツ国際平和村は、必要であれば子どもたちの帰国後も持続的に支援をし、また継続した投薬治療が必要な子どもたちのために医薬品を届けています。かつての子どもたちは、ドイツ国際平和村スタッフの現地入りを耳にし、会いに来てくれたり、感謝の言葉を届けに面会場所に来てくれます。子どもたちだけでなく、家族も会いに来てくれます。今回ドイツへ帰国する際のスーツケースには、かつての子どもの祖母によって編まれた靴下が入っています。貧困と医療不足に苦しむタジキスタンの人々は、おもてなしと人間らしさにあふれています。

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