75回目の援助飛行を行います。 2017年1月26日付

75回目の援助飛行を行います。

先週末、ヨーロッパの右派ポピュリスト党が今年の大選挙をテーマにドイツ・コブレンツに集まりました。また、世界中の人々は、米国の新大統領ドナルド・トランプ氏の動きに驚きを隠せません。このような動向の中、国連はアフガニスタンの現状について報告しました。

最新の国連・人道支援計画によると、2017年はさらに45万人が避難しなければならない状況が予想されています。この数字は、2016年内に既に登録された63万人の国内避難民とは別の新しい数字です。また、アフガニスタン全人口の3分の1にあたる930万人の人々が、今年、困窮状態に陥っています。それは、1日平均約1500人が、地元から避難しなければならない状況と言えます。政府による管理がなされていない地域はさらに増えており、困窮にある人口の約20%の人々と連絡をとることが非常に困難です。さらに、アフガニスタンの40%の人々は十分な食事をとることができず、100万人以上と想定される子どもたちが急性栄養失調を患い医療的な処置が必要です。しかし、多くの場合がその処置を受けることができないのです。なぜなら、アフガニスタンの40%の人々は、この国の健康保険システムに適応されていないからです。

上記の数字の裏には、アフガニスタンの人々の現実が見え隠れします。そして、ドイツ国際平和村は、定期的に援助飛行を行う中で、アフガニスタンの実情を垣間見ています。今週、ドイツ国際平和村は、第75回アフガニスタン援助飛行の準備に入りました。ドイツ国際平和村は、アフガニスタンの子どもたちをドイツに受け入れ、治療の機会を提供する活動を過去30年間行ってきましたが、今も子どもたちが母国で適切な治療を受けることができないことは、悲しい現状です。子どもたちは治療のためにドイツへやってきて、できるだけ早くに治療を終え、母国の家族のもとへ帰ります。

1987年、はじめてアフガニスタンの子どもたちをドイツ国際平和村で受け入れました。その子どもたちは、パキスタンの難民キャンプで暮らしていました。翌年1988年のクリスマスイブには、アフガニスタン・カブールからフランクフルト空港に、アフガニスタンの子どもたちが到着しました。フランクフルト空港からは、ドイツ軍のヘリコプターによって、デュッセルドルフに到着し、そこからノルトラインヴェストファーレン州の各協力病院に搬送されました。最初に子どもたちを受け入れた80年代当時の共産主義政権下のソ連軍駐留時、ムジャヘディンがカブールの街を破壊した時期、タリバン政権下にその後のカルザイ政権下、そして現在も、ドイツ国際平和村は、アフガニスタン現地パートナー団体と協力して、活動を継続できています。それは、ドイツ国際平和村が、非政府団体であり、特別な信条と結びついていないからです。30年間援助活動を続けましたが、アフガニスタンの実情は改善されず、特に困苦にある人々への支援はまだまだ必要です。ドイツ国際平和村はこれからも支援を続けていきます。

ドイツ国際平和村代表トーマス・ヤコブスは、この国の将来を懸念しながら言及します。「軍力を使ってでは、アフガニスタンの問題を解決することはできないでしょう。この国の問題をより深く洞察する眼識や現地の人々を底上げするような力が必要です。」 ドイツ国際平和村の支援を通してドイツにやってきた子どもたちは、治療を通して元気になるだけでなく、平和村での体験も母国に持ち帰ります。それは、「ともに平和に過ごせること」です。

写真:©Uli Preuss

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