2024年活動報告

必要とされる支援:アフガニスタンでの養鶏プロジェクト(写真:André Hirtz)
真心とチャレンジに満ちた1年

母国では適切な治療を受けることができないケガや病気を抱えた子どもたちを治療のためドイツに受け入れる際、また現地の医療環境の向上を目指したプロジェクトを開始した際、資金援助をして設備が整った際、医薬品や食糧品、衣類などを困窮状態にある人々に届けた際、ドイツ国際平和村では、多くの感謝を受け取ります。ドイツ国際平和村は、この感謝の気持ちに対し、信頼を忘れることなく誠意を込めて活動を続けなければと再認識します。ドイツ国際平和村の援助活動は、それぞれの現地パートナー団体のスタッフとの綿密な話し合いを持った上で行っています。この援助は、一時的な支援だけにとどまらず、人々に希望を与えるものであるべきと考えます。このような援助活動が可能なのも、ドイツ国際平和村を継続的に支援してくれている皆さんのおかげです。「ありがたいことに、多くの方々からの一般のご寄付は、昨年と比べて減少せずにすみました。私たちの活動の基本は、寄付金があってこそです。皆さんの真心に大変感謝しています。」とドイツ国際平和村代表、ビルギット・シュティフターは言います。

ドイツ国際平和村の活動は、コロナ期を通し、また世界の現状によって、変化しました。「活動の核として、紛争や危機的状況にある子どもたちへの援助は、定款に示されているように実行しています。ただ、その個々の子どもたちへの治療援助の実行は、臨機応変に行っています。例えば、新規に開始したアフガニスタンでの現地手術プロジェクトです。」とシュティフターは報告します。このプロジェクトは、2023年の終盤に開始し、2024年には、56人の子どもたちがドイツ国際平和村の資金援助により現地で手術を受けました。その大部分の子どもたちが、現地で治療可能な骨髄炎初期症状を抱えていました。その結果、骨髄炎の悪化を防ぎ、大変複雑な処置である骨洗浄をドイツにおいて実行しなければならない状況を回避することができました。子どもたちが家族から離れることなく、母国での治療の可能性をこれからも探っていきます。また、ドイツでは医療業界を取り巻く環境は厳しく、無償治療の提供を受けることは以前より困難になっています。そのため、2024年、チャーター便を使用した援助飛行は、アンゴラへ1回、アフガニスタンと中央アジアへ1回、行いました。

ドイツ・オーバーハウゼン市にある子どもたちが生活する施設内のメディカル・リハビリセンターは、稼働開始から4年目となりました。2024年は、83件の手術が実施されました。施設においての手術も、アフガニスタン、ウズベキスタン、キルギス、アルメニアで進めている現地手術プロジェクも、ドイツの病院が抱える問題を完全に解決するものではありませんが、協力病院の負担を軽減し、特に子どもたちとその家族にとっては、精神的なメリットをもたらしています。友人や家族が傍らにいてくれることは、治癒のプロセスに大変有益です。そして、この現地手術プロジェクトと施設での手術によって、より多くの子どもたちに支援を届けることができます。

アフガニスタンとレバノンへの新しい支援

2024年、アフガニスタンで養鶏プロジェクトを開始しました。バグラン州を襲った深刻な洪水で全てを失い、困窮した500世帯に、1世帯あたり9羽の雌鶏と1羽の雄鶏、そして飼料と動物用の飲水桶を分配しました。このプロジェクトは、十分な栄養を得ることができない子どもたちの状況改善を目指しています。このプロジェクトでは、特に子どもたちが動物の世話という手伝いを楽しみ、子どもたちとその家族にとって、明るく、そして将来的な展望を描けるような日々を提供できます。。このプロジェクトでは、とてもポジティブな成果がでています。そのため、2025年3月に、さらに1000匹をこの地域の家庭に配布する予定です。

レバノンは、2024年に現地プロジェクトを行う新たな国としてドイツ国際平和村の支援先国に追加されました。ドイツ国際平和村は、2台のフードトラックへの資金援助を決定しました。このフードトラックは、主に難民として移動している家族の子どもたちに温かい食事を提供しています。さらに、レバノンの自閉症プロジェクトにも資金援助をしました。2025年は、緊急に必要とされている「子ども専用のやけど治療センター」を、ベイルートの病院に建設予定です。

子どもたちへの治療援助や現地プロジェクトに加え、ドイツ国際平和村は、アフガニスタン、中央アジア、イラク、アルメニア、ガンビア、アンゴラに、医薬品、食糧、衣類、緊急医療キットなど合計415トンの援助物資を届けました。

平和教育活動

コロナ期の困難を乗り越え、平和教育部の提供するプログラムは、あらゆる分野で大幅な伸びを記録しました。セミナーやワークショップに参加するそれぞれのグループの人数も増えた上に、グループ数も増えました。欧州選挙の一環で「民主主義対独裁主義」といったテーマや、「戦争や危機的地域からの人々の回復力」といったテーマで特別イベントも開催されました。

悲しい別れ

2024年11月、大きな喪失感に直面せざるをえないことがありました。ドイツ国際平和村のタジキスタン現地パートナーであり長年の親友でもあったザファー・ヨロフが、治療を終えた子どもたちとタジキスタンに帰国した直後に突然亡くなりました。彼の死に伴う全ての悲しみに加え、ドイツ国際平和村は、この友人のライフワークを継続していくために最大限の力で取り組んでいきます。

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