子どもたちに未来を!

ほぼ4年ぶりにアフガニスタンと中央アジアの子どもたちへの同時援助飛行

ドイツ国際平和村施設の食堂で、「テラ」の名前が読み上げられました。自分の名前を呼ばれた瞬間、少し困惑しましたが、他の子どもたちが拍手喝采すると、表情が明るくなり、笑顔になりました。自分の名前が読み上げられるということは、帰国できるということを意味します。11歳のテラは、母国アフガニスタンでの事故後、右下肢が変形し、骨髄炎も発症していました。7カ月間のドイツでの治療が終わり、このたび、アフガニスタンで待つ家族のもとに帰ることができます。

テラの名前の他にもたくさんの名前が大きな声で読み上げられました。アフガニスタンの名前だけではありません。中央アジアから来ている子どもたちも帰国できます。今回、コロナ・パンデミック発生後初めて、複数国を経由する同時援助飛行をチャーター機を利用し、実施することができました。合計67人の子どもたちがそれぞれの母国であるアフガニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスの4か国へ帰国できました。

テラは、デュッセルドルフ空港で、他の子どもたちとチャーター機に乗り込むのを待っている間、「もうすぐ飛行機に乗るんだ!」と興奮していました。飛行に不安はないかと質問したところ、首を振っていました。彼は過去数か月、大きく成長しました。2023年2月、彼の父親がカブールでの面会にテラを連れてきました。重度の骨髄炎と診断されました。彼が耐えてきた痛みを想像することすら難しいと現地入りしたスタッフが表現しました。そして、3月に渡独し、協力病院の医師が彼の脚を治療し、多くの人々に支えられ、自分への自信も強めていきました。長時間となる飛行がありましたが、無事にアフガニスタンに到着し、家族と再会することができました。今回の援助飛行は、ドイツ・デュッセルドルフ空港からグルジア、ウズベキスタン、タジキスタンを経由してカブールへ向かいました。治療を終えたキルギス、ウズベキスタン、タジキスタンの子どもたちが、タシケントとドゥシャンベで飛行機を降り、それと同時に治療を必要としている子どもたちと現地パートナー団体のスタッフが同じチャーター機に乗り込みました。また、アフガニスタン・カブールからは、合計74人がスタッフに支えられながら復路便に乗りました。

11月9日(木)夕刻、合計91人の子どもたちがデュッセルドルフ空港に到着しました。ドイツ国際平和村は、1988年からアフガニスタンの子どもたちへの支援を行っています。アフガニスタン国内の壊滅的な医療状況が原因で、小さなケガが重傷化してしまいます。大きなケガを抱えていても適切な包帯類もありません。「カブール出発前に交換した包帯は、約4週間前の面会時に替えたものと同じものでした。医療物資が不足していることはわかっていましたが、この事実にはショックを受けました。」とドイツ国際平和村スタッフ、ビルギット・ヘルムートが語ります。

ドイツ国際平和村の支援は、絶望の淵にいる家族にとって、最後のチャンスである場合が多いです。この支援が可能なのは、信頼関係と強いネットワークがあるからです。現地パートナー団体から、空港や子どもたちの施設のボランティア、子どもたちの治療を無償で行う協力病院の方々など、多くの人々の様々な形での支えがあってこそ実施可能です。この場をお借りして、皆様に感謝申し上げます。

写真:André Hirtz

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