2022年 Friedenskalender(平和カレンダー)

2022年平和カレンダー

12月1日から毎日、通常のアドベントカレンダー(*)より長く、12月31日まで、ドイツ国際平和村の様々な分野に関する写真などをお届けます。「Friedenskalender(平和カレンダー)」を是非お楽しみください!

*「アドベントカレンダー」とは:

カレンダーについた窓を12月1日から毎日1つずつ開けていき、全部の窓を開け終わると、クリスマス(12月25日)を迎えたことがわかるカレンダー。

2022年12月31日(土):ご挨拶

ドイツ国際平和村の子どもたち、そしてドイツ国際平和村スタッフ一同、2022年ご支援いただきました皆様に心から御礼申し上げます。2023年が世界が平和に少しでも近づく年となることを願っています。2023年、一人でも多くの子どもたちに適切な支援が届くよう、活動を続けていきます。皆様にとって、健康で幸多き2023年となりますように。

一日も早く戦争が終結し、危機的状況を乗り越えていけますように!

2022年12月30日(金):「平和を願うパーティ(フリーデンスフェスト)」

12月30日は、ドイツ国際平和村にとって、特別な日です。この日、子どもたちが待ちに待った「平和を願うパーティ(フリーデンスフェスト)」が開催されます。「様々な文化背景を持つ子どもたちが、平和に生活し、お互いに尊重しあう」―平和村施設では、日常的な風景ですが、1年に一度、平和に生きることを祝う日を設定しています。この日は子どもたちの発表もあり、ともに笑い、ともに遊び、最後にプレゼントが配布されます。素敵なパーティになりますように!

2022年12月29日(木):帰国パーティ

2022年9月末、ドイツ国際平和村ではパーティが開催されました。アンゴラとアフガニスタンの子どもたちの帰国を祝うパーティでした。会場は色とりどりの飾り付けがされ、子どもたち全員が共にこの時間を楽しみました。子どもたちの歌やダンスのプログラムで盛り上がり、帰国前の時間がより充実したものとなりました。

2022年12月28日(水):カンボジア

ドイツ国際平和村はカンボジアでの現地プロジェクト活動の一つ、基礎健康診療所建設を支援しています。ドイツ国際平和村スタッフが、数週間前に41軒目の基礎健康診療所を視察しました。この基礎健康診療所は、カンボジアの地方にあるトラペアンプリン郡にあります。この診療所では、分娩室を別棟に配置しました。個人医院のような設備の基礎健康診療所には、近隣に住む1万人が利用できます。この診療所が建設される前の最寄りの診療所は、15キロ離れた場所にありました。日本やドイツだと15キロの距離はさほどではないかもしれませんが、道も整っていないカンボジアで、さらに雨季には、たとえ妊婦でなくても、病気を患った人々が簡単に移動できる距離ではありません。

2022年12月27日(火):ドイツ国際平和村への訪問者

コロナ・パンデミック禍では実施できなかった平和村施設内の「Begegnungsstätte(出会いの場)」での活動が再開しました。ドイツ国際平和村での活動を通じ、訪問者たちは、なぜ渡独して治療を受ける子どもたちがいるのか、紛争地や危機的状況下にある国での生活はどうか、平和村滞在時の生活などを学びます。さらに、この学びを通じて、自分たちが平和のためにできることを考え、行動します。写真は、ある学校の生徒さんたちがチャリティアクションで集めた物資の寄付を届けている様子です。

訪問の際の注意点が数点ありますが、2023年も引き続き、訪問は可能です。ドイツ国際平和村施設へのご訪問を希望される方は、事前にご連絡ください。
japanpeace@friedensdorf.de

2022年12月26日(月):施設内の小さな子どもたち

あと2個、パンちょうだい!サデクは、お茶目にそうお願いしています。あと2個は多すぎるのではないかなとも感じますが、2歳から5歳くらいまでの小さな子どもたちは食欲旺盛です!治癒するためには、栄養の行き届いた食事を十分にとることも大切です。平和村のキッチンスタッフたちは、子どもたちのために、愛情込めた料理を日々提供しています。

2022年12月25日(日):ドイツ国際平和村・平和教育部

ドイツ国際平和村・平和教育部のプログラムにおいて重要な構成要素は、平和教育、暴力廃止、衝突の建設的な解決です。そのため、平和村施設内の「Begegnungsstätte(出会いの場)」では、学生、青少年、高齢者が訪れ、様々なプログラムを通じ、知り、考えていく時間を提供しています。共に、そしてお互いに学ぶということがこのプログラムの重点で、様々な年齢層、宗教、出身、生活状況、そして文化背景の人々がここで出会い、その出会いを通じて、現在の考え方、世界観、偏見を変えていくことができると考えています。また、平和教育部では、家庭教育や親のための教育分野の講座もあります。家族は、社会の中の最も小さな単位であると同時に、互いが最も密接に繋がっている共同体として、社会における重要な機能を果たしています。家族の中で、子どもたちは初めての社会的な繋がりを見出し、そして他者との初めてのコミュニケーションを試みます。講座に参加することで、意識的に家族生活を形成づけたり、経験したり、また楽しむことができるようになります。

2022年12月24日(土):メリークリスマス

今日はクリスマスイブです。ドイツでは宗教的、習慣的に祝い事がある日です。ガンビアでもクリスマスの習慣があります。毎年、仮面パレードが開催され、キリスト教、イスラム教など、宗教にかかわらず、年明けパーティのための寄付を募ります。この国では、クリスマスは隣人愛を祝う日なのです。べトナムは、ドイツ国際平和村が初めて援助活動を始めた国です。ベトナムに住むクリスチャンは多くありませんが、それでもクリスマスは祝われます。家や道路にクリスマスのデコレーションがされ、12月24日に盛大にお祝いをします。ここでは、近所の人たちと外で祝うことが多いようです。ドイツ国際平和村は、クリスマスの祝い事にかかわらず、すべての人々が穏やかに過ごせるクリスマスを願っています。

2022年12月23日(金):ラティファ

2022年11月、アフガニスタン・カブールである女性と再会しました。この女性ラティファは25年前にドイツ国際平和村の支援で治療を受けていましたが、当時スタッフだったクラウディアとカブールで再会し、お互いに涙を流しました。ラティファに最後にあったのは、彼女が10歳のときです。当時、誤って飲んだバッテリー酸により、彼女の食道が腐食し、その治療のためにドイツに滞在していました。食事も摂れず、10歳の女の子の体重は、わずか9キロしかありませんでした。1996年、病院に入院していた彼女のもとをクラウディアが訪れ、一日も早くなるようにと願いをこめたイヤリングをプレゼントしました。不可能と思われていた治療も無事進み、ラティファは回復していきました。1年も経たないうちに、彼女は治癒し、体重も通常に近づき、輝いた笑顔でアフガニスタンに戻りました。

2022年12月22日(木):アフガニスタンの男の子

ある男の子に、奇跡に近いようなことが起こりました。2022年2月、ドイツ国際平和村はこの子とカブールで出会いました。彼は、その数ヶ月前に発生した交通事故に巻き込まれました。おそらく車に引きずられたのでしょう。皮膚が右足から引き裂かれ、自力での歩行が不可能で、大変痩せ衰えていました。事故後、家族は鎮痛剤を入手することもできなければ、治療を受けさせることもできませんでした。家族が彼にできたのは、暫定的な処置のための包帯になるようなものを見つけることでした。彼の父親は、食料のためのお金さえ持っていないと話していました。ドイツ国際平和村のスタッフたちは、彼が3月の援助飛行まで生き延びれるかどうかを危惧していましたが、彼は3月の援助飛行まで痛みに耐えながらも生き延び、渡独後、集中治療室での処置を受けることができました。検査の結果、右足を切断することになりましたが、数か月後には義足をつけて、自分の力で歩くことができるようになりました。痛みを感じずに、友だちと思いっきり遊べるようにもなり、2022年11月に家族の待つアフガニスタンへ無事帰国することができました。

2022年12月21日(水):カンボジア

22歳のモニーは、ドイツ国際平和村が支援しているカンボジア・バッタンバン市の社会プロジェクトの一番最初の参加者の一人でした。この社会プロジェクトを通して、ごみ山のそばで生活する子どもたちや低収入家庭の子どもたちへの社会的、教育的支援を促進しています。モニーの存在は、この支援が確実に実を結んでいるという証明です。モニーは、現在大学に通っています。社会の中で彼女の居場所を見つけました。社会プロジェクトの一つであるサーカスプロジェクトを通して、相互理解、リスペクト、信頼、それにコミュニティーでの結束の大切さを学びました。そんな彼女ですが、嫌な経験もしました。モニーが21歳のときに、婚約しているパートナーがいました。ある時、そのパートナーの家族がモニーの育ってきた環境を知り、婚約を破棄しました。しかし、モニーは自身の価値を失うことなく、自信をもって生活しています。モニーは、どの環境で育ったかよりも、今あるその人自身を見て判断する社会になってほしいと訴えています。

2022年12月20日(火):人間の連帯国際デー

12月20日は2005年に国連が定めた「人間の連帯国際デー」です。世界上で起きている問題に対する人類の連帯の重要性を思い起こす日です。貧困撲滅などの「持続可能な開発目標」の達成には連帯した取り組みが求められています。

ドイツ国際平和村は、2022年11月、飢餓の危機下にあるアフガニスタンの人々へ食糧物資支援を行いました。ナンガハル州、ザブール州、カピサ州、そしてカブール周辺地域の2000家族へ基礎食品を手渡しました。さらにドイツ国際平和村の現地パートナー団体であるアフガニスタン赤新月社がジャララバードで運営する社会福祉プロジェクト「マラストゥーン(平和の共同体)」へも500箱を届けました。

ドイツ国際平和村が活動を続けられるのは、支援する多くの方の連帯があるからこそです。皆様との連帯をとても心強く思っています。

2022年12月19日(月):タジキスタン、ウズベキスタン、キルギスへの医療支援

2022年12月12日の週には、ウズベキスタンから10名、キルギスから3名、タジキスタンから8名をドイツで受け入れることができました。子どもたちの中には、やけどによる瘢痕拘縮を抱える子どもたちもいます。初診後、何名かはドイツ国際平和村内の手術室で手術を受けられると判断されました。

写真:André Hirtz

 

2022年12月18日(日):クルド料理クッバのレシピ

中東各国で好まれている料理の一つにクッバ(ひき肉入りのライスコロッケ)があります。レシピは下記の通りです。ぜひお試しください!
材料:
米 500g
カレー粉 小さじ2
クミン 小さじ1
塩・こしょう
牛ひき肉 250g
玉ねぎ 1
パセリ 3本
レーズン 大さじ2
アーモンド(刻み)大さじ2
ヨーグルト(ソース用)
パセリ少々
作り方:
①お米を炊いたら、クッキングシートの上に広げて冷まし、カレー粉、クミン、塩コショウで味付けをします。
②牛ひき肉はみじん切りした玉ねぎと一緒に炒めます。
③洗ったパセリをみじん切りにして、アーモンドとレーズンと一緒に、炒めたひき肉の中に混ぜます。
④ごはんが冷めたら、おにぎりにして、真ん中に穴をあけ、③を入れます。
⑤それを卵型の形にします。
⑥フライパンに菜種油を入れ加熱し、卵型にしたライスコロッケを炒めます。
⑦お皿に乗せたら、ヨーグルトとパセリで飾り付けをし、出来上がりです。

2022年12月17日(土):ガンビアでの医療支援

2022年12月9日(金)、ドイツでの治療を終えたガンビアの子どもたちが無事母国へと帰国しました。今回帰国した8名の子どもたちは、ガンビアのバンジュール空港で、家族たちと再会を果たしました。ドイツ国際平和村は、2012年から、ガンビアの現地パートナー団体「Project Aid The Gambia」と協力して、支援活動を続けています。この団体は、首都バンジュールから東に270kmほど離れた小さな村ジャハリで診療所を運営しています。ガンビアでは、医療制度が整っておらず、治療の機会も限られています。

2022年12月16日(金):メディカル・リハビリセンター内の手術室

ドイツ国際平和村施設内にある手術室では、小規模な手術が可能です。これにより病院側の様々な負担が減ります。また、子どもたちにとっても、病院までの長い移動に耐える必要もなく、手術後は友人が回復室にお見舞いに来てくれることで、不安も減少します。現在までに、50件以上の手術を実施することができました。

2022年12月15日(木):エドリス

エドリスは、アフガニスタンでガス爆発の被害を受け、右手を失いました。脚と腰部も損傷を受け、座ること、立つこと、歩くことができませんでした。そして、大腿部の骨に骨髄炎が発症してしまいました。アフガニスタンで13回手術を受けましたが、思うように治癒しませんでした。2020年2月に治療を受けるため渡独しました。ドイツにやってきて、外科治療を受け、強い意志を持ちリハビリを続けました。そして、義肢を使って歩けるようになりました!2022年11月、エドリスは、母国アフガニスタンに帰国しました。帰国のチャーター便に自分の脚で乗り込めるとは、3年前の彼は思ってもいなかったかもしれません。カブールに到着した時に、エドリスにサプライズがありました。彼の親友が彼を待っていたのです!

2022年12月14日(水):Youth4Peace(青少年平和賞)

Youth4Peaceは、平和のために自分ができることを実行するチャンスです!残念ながら現在、戦争や確執といったニュースを頻繁に見聞きします。そのような今こそ、「平和」を打ち出していかなければなりません。平和への姿勢を見せ、その価値を守らなければなりません。

「平和」といったテーマで、動画や絵画、銅像や文学といった芸術・文化関連から、政治へのイニシアチブ、ワークショップ、体験型企画など、自由なアクションを個人でもグループでも応募できます。4つのカテゴリーのそれぞれの最優秀賞には、1000ユーロが授与されます。

1つだけ、参加条件があります。20歳以下の青少年が対象です。
Youth4Peace: Youth4Peace - The International Peace Prize Oberhausen (右上の地球儀をクリックして、英語表記にできます)

2022年12月13日(火):日本

1990年代、日本のテレビ番組「世界ウルルン滞在記」にて、ドイツ国際平和村の活動が紹介されました。以降、日本とドイツ国際平和村の関係が築かれていきました。ドイツ国際平和村の支援者の中には、ご寄付を通じて、平和村の活動を支えてくれている方々もいます。また、一定期間、平和村に滞在し、研修生という形でボランティア活動をしたり、短時間の訪問を通じ子どもたちと交流をしたり、さらには日本国内でチャリティイベントや講演会などを通じてドイツ国際平和村の活動を広めてくれる方々もいます。皆さん一人ひとりができる形で、ドイツ国際平和村の活動にかかわっています。多くの日本の支援者、協力者の皆さまにこの場をお借りして、心よりお礼申し上げます。

2022年12月12日(月):ドイツ国際平和村のショップ「Friedas Welt(フリーダの世界)」

ドイツ国際平和村施設の近くの集落で毎年開催されているクリスマスマーケットが、今年は12月3日と4日の週末に開催されました。平和村ショップ「Friedas Welt」もスタンドを出しました。様々なオイルやスパイス、リキュールに加え、クリスマスのデコレーション商品が並びました。

通常のショップ開店時間は以下の通りです。

月・火・木・金:9時から13時、15時から18時
水:9時から13時
土:10時から13時
日:お休み

写真:André Hirtz

 

2022年12月11日(日):チャイのレシピ

ドイツ国際平和村が援助活動を行っているイラク、アフガニスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタンには、お茶文化があります。慣習的に、訪問客があった際には、お茶が出されます。特に好まれるのは、紅茶です。
以下、スパイスの効いた「チャイ・カラック」2杯分のレシピです。

白砂糖またはキビ砂糖 小さじ1~2、カルダモンの実(さやをむいた状態) 5つ、糸状のサフラン 6本 (お好みで)、シナモン棒 1本、しょうが 薄切り1~2枚、紅茶 小さじ2、コンデンスミルク 150ml

①砂糖を鍋に入れ、カラメル状になるまで温め、200mlの熱湯を加え、沸騰させます。
②スパイスを投入し、約5分ほど蒸し煮します。火を止め、紅茶を入れ、蒸らします。
③お好みで、コンデンスミルクを追加し、チャイをまた少し沸騰させます。
④茶こしを使って、ガラスコップにチャイを注ぎ、出来上がり!

2022年12月10日(土):世界人権デー

現在のように混迷が続く時代に、出身や言語、文化や宗教背景に関わらず、社会に属する人間として、双方の肯定的な見方ができることは大変重要です。毎年12月10日は、「世界人権デー」と定められています。互いに人権を尊重し、その価値をあらたに確かめ合う日です。

2022年12月9日(金):サミラ

9歳のサミラは、2022年3月にアフガニスタンからドイツへやってきました。慢性化していた骨髄炎を抱えていたため、度重なる手術を受けました。このような症状は、紛争や危機的状況にある地域では、適切な初期治療がなされないため悪化することが多いのです。日本やドイツでは、初期の段階で抗生物質の投与により、重症化を防ぐことができます。協力病院での治療とその後のリハビリにより、サミラは2022年11月に帰国し、家族に再会することができました。以下のリンクから、彼女の治療の様子を流した映像を見ることができます。

https://www.br.de/nachrichten/wirtschaft/kranke-kinder-aus-kabul-wie-den-kleinen-in-bayern-geholfen-wird,T2Oo01i

映像要約:

(2022年3月24日) デュッセルドルフ空港。スタッフや協力者が待機しています。89人の子どもたちがドイツ国際平和村がチャーターした飛行機に乗っています。バイエルン赤十字のスタッフが、バイエルン地域の病院へ子どもたちを搬送します。子どもたちは、骨髄炎、やけど、爆撃被害などを抱えています。9歳のサミラは、他の子どもたちと同様に、親の同伴なくドイツにやってきました。
マーティン・コルベさんは、22年間この活動に関わっています。日々悪化しているアフガニスタンの状況を危惧しています。「子どもたちの状態を見るたびに、私たちができることはしなければならないと思います。」
ドイツ国際平和村は、1988年からアフガニスタンへの援助を行っています。子どもたちへ治療の機会を提供する活動を寄付金で行っています。母国では適切な治療を受けることが不可能な子どもたちです。
カブールに住む現地パートナースタッフのマルーフ医師:「病院という建物があるからといって治療ができるわけではありません。電気と水しかありません。簡単な処置でさえ、必要なものが不足していてできないこともあります。」
アフガニスタンでは40年もの間、紛争が続いています。2021年の政権交代後、多くの医師や専門家が海外へ出てしまいました。残されたのは、サミラやサミラの家族のような、薬や十分な食糧を手にすることはできない国民です。
(2022年2月)ドイツ国際平和村のスタッフは、2200人の子どもたちと面会しました。ドイツ国際平和村の活動には、子どもたちを無償で治療してくれるドイツ各地の病院の協力が欠かせません。今回、89人の子どもたちをドイツに連れてくることができました。アフガニスタン現地入りしたスタッフ、クラウディア・ペップミュラーは言います。「もちろん連れてくることができない子どもたちもいて心苦しくはなります。今回でなく次の援助飛行に来てくださいと慰めのように声をかけても、その子どもの症状は次の援助飛行までの間にかなり悪化してしまうかもしれません。それでも、私たちは援助を続けていくために、決断しなければなりません。」
マーティン・コルベさんは、サミラとザラに付き添って、バイエルン州のある病院に向かいました。病院のベッドに連れていくまでが彼の任務です。
1週間後、彼女たちが入院している病院に向かいました。看護師や病院スタッフが温かく寄り添っていました。看護師ラプスさんは言います。「はじめは緊張していたようですが、すぐに打ちとけました。もちろん彼女たちは痛みやホームシックを抱えています。その気持ちを少しでも和らげられたらと願いながら接しています。」
彼女たちには、手術の予定が数件あります。サミラが抱えている慢性骨髄炎は、この病院では紛争地域から来ている子どもたち以外に診ることはありません。ドイツでは抗生物質によりすぐに対応することができますが、医療状況が整っていない国々では初期治療がなされないため、骨髄炎を発症してしまいます。
ブランケ医師:「現在、エネルギー危機や物価高騰が論議されていますが、医療の整った国で生活できることは、当たりまえではないのです。」 病院は無償でサミラを治療します。ブランケ医師は、「サミラは3,4ケ月後には歩けるようになるだろう」と言います。
今日は、彼女たちの言葉を話すボランティアが訪問してくれました。「母国では、地面に敷いたマットレスの上に寝て、暖房も皆無に等しいです。ここでは、1人ずつベッドがあり、お部屋も暖かく必要なものは揃っています。彼女たちにとって大きな変化です。」 ザラは「夜に痛みがあるけど、ホームシックはないよ」と言います。サミラは、両親と6人の兄弟姉妹を恋しく思っています。ボランティア自身も、子どものときにアフガニスタンからドイツに来ました。
今日は、病院内を初めて案内してもらえました。新しいものを発見して楽しんでいます。ドイツ国際平和村スタッフ、ホルヌングは言います。「彼女たちはここで子どもらしく遊び、治癒していきます。」
サミラやザラのように、ドイツに治療のため受け入れた子どもたちは、平均して6カ月から2年の間に帰国します。

写真:André Hirtz

2022年12月8日(木):空港

ドイツ国際平和村がチャーターした飛行機に乗った子どもが、飛行機の窓からデュッセルドルフ空港の様子を覗いています。そこでは、デュッセルドルフ空港のスタッフ、オーバーハウゼン交通局のバス、ドイツ赤十字の救急車とそのスタッフ、ドイツ国際平和村のスタッフが待ち構えています。飛行機を降りると、子どもたちにとって新たな体験が待っています。これから、無償で受け入れをしてくれる病院での治療、オーバーハウゼン市施設での他の子どもたちとの共同生活が始まります。ドイツでの治療を経て、子どもたちは健康に生きていく将来を手にするのです。

2022年12月7日(水):文房具などの分配

11月初旬、カブールのある学校を訪れ、この学校に20台のノート型パソコンとプリンターを設置することができました。さらに、1000人ほどの生徒たち一人ひとりへ学校で必要なものが詰め込まれたカバンを手渡しました。

また、アフガニスタン現地プロジェクトの一つである、ジャララバードの「マラストゥーン(平和な共同体)」でも、41人の子どもたちに同様のカバンを渡しました。

 

2022年12月6日(火):イラク/クルド人自治区の子どもたちへの援助

2022年10月、ドイツ国際平和村はイラク北部のクルド人自治区より子どもたちを初めて受け入れました。2022年3月に、ドイツ国際平和村スタッフが初めてこの地域を訪れ、子どもたちと面会しました。泌尿器系疾患、やけど、四肢の変形などを抱えた合計9人の子どもたちが、ドイツでの治療が可能と判断され、10月に渡独しました。

 

2022年12月5日(月):国際ボランティアデー

毎年12月5日は、国連によって定められた「国際ボランティアデー」です。時間と力を公益の目的のためにささげる人々に注目する日です。

ドイツ国際平和村が受け入れた子どもたちに代わり、この活動に協力してくれている皆さまに心から感謝します。

写真:André Hirtz

 

2022年12月4日(日):アフガニスタンのピタパンレシピ

アフガニスタンでは、ピタパンを食べることが多いです。以下のレシピで、ピタパン2枚が焼けます。

生地の材料:  小麦粉 900g、ぬるま湯 450ml、ドライ・イースト 14g/生イースト 1キューブ、黒砂糖 大さじ1、塩 小さじ1、オリーブオイル おおさじ4/溶かしたバター 大さじ3

塗る用とふりかけ用:  オリーブオイル、牛乳、水、ゴマまたは黒キャラウェー

①砂糖と塩を溶かしたぬるま湯の中にイーストを入れ、5分待ちます。その他の生地の材料を一つのボールに混ぜ、10分程こねます。オリーブオイル大さじ1を生地にもみこみます。そして、1時間寝かせます。

②膨らんだ生地を半分にし、半分ずつ、小麦粉をまいた台の上でこねます。1個目を平らにし、クッキングシートを引いた天板に、少し長めに広げて敷きます。その上に牛乳を塗ります。指先で生地に筋を入れ、ゴマと黒キャラウェーをふりかけます。フォークで再度筋を入れても構いません。

③再度、20分寝かします。その間に、オーブンを220度に温めます。生地を15分焼きます。そして、2個目の生地を同様に準備します。焼きあがったピタパンに、少量の水とオリーブオイルかバターを振りかけます。キッチンタオルをかぶせて、約5分たったら、出来上がり。

2022年12月3日(土):アンゴラ援助

2022年10月初旬、ドイツ国際平和村は、71回目のアンゴラ援助を実施しました。43人の子どもたちが渡独し、治癒の道を歩んでいます。アフリカ大陸南西部に位置するアンゴラの医療状況は、以前と変わらず劣悪です。約30年近く続いた内戦(1975年から2002年)の帰結に今なお大部分の国民が苦しんでいます。

次のテレビ放映の映像では、このアンゴラ援助飛行の様子が取り上げられています。https://de.euronews.com/video/2022/10/30/deutsche-ngo-behandelt-kinder-aus-krisenlandern

映像要約:
アンゴラ出身のカルロスとアフガニスタン出身のエバドゥラは、骨に炎症を抱えています。この2人はドイツの人道援助団体の活動を通して出会い、親友となりました。カルロスは2年ほどドイツで治療を受け、この度、ドイツでの様々な体験や親友との思い出を胸に帰国します。アンゴラにはカルロスの家族が待っています。待ちに待った家族との再会です。

カルロスのお母さん:今回は治療のため2回目のドイツ滞在でした。1回目は1年間で、今回は2年間かかりました。

カルロスの他、治療を終えた子どもたちがチャーター機でアンゴラへ帰国し、その復路便に治療を必要としている子どもたちが乗り込み、渡独します。

渡独する前、アンゴラ各州で治療の可能性がある子どもたちを診察します。

そして、首都ルアンダにて、最終的な面会を、ドイツ国際平和村のスタッフとします。その際、アンゴラに残ることになった子どもたちにも可能な援助やアドバイスを行います。

(空港にて)ここにいる43人の子どもたちは、これからドイツへ向かいます。

大部分の子どもたちは骨髄炎を抱えています。子どもたちの母国では適切な治療ができないため、このドイツの援助団体は優先してこの症状の子どもたちを援助しています。ドイツ各地の病院が無償での治療に協力してくれています。

最終的には、子どもたちが治療を終え、痛みに耐えなくてもよくなり、子どもらしい笑顔を見せてくれます。

2022年12月2日(金):アブドゥル

11歳のアブドゥルは、故郷アフガニスタンで、爆撃の被害を受け、両手を失いました。アフガニスタンでは治療が進められず、ドイツ国際平和村の支援で、ドイツにやってきました。専門の手術を受け、現在アブドゥルは、尺骨と橈骨で物をつかむことができます。今年11月、彼は母国アフガニスタンへ帰国することができ、家族に再会することができました。帰国前、アブドゥルは、リハビリセンターのスタッフ、ミノリとともに、リハビリを必死に続けました。

ドイツ国際平和村のアフガニスタンでの活動や彼のエピソードについて、ドイチェ・ヴェレが取り上げました。https://www.dw.com/de/afghanistan-hilfe-f%C3%BCr-schwerverletzte-kinder/av-62720411

映像要約:
アフガニスタン各地から、子どもたちとその家族がドイツでの治療の機会を願って集まってきます。アブドゥルもその1人です。アブドゥルは、爆破被害を受け、両手を失いました。彼の左目はほとんど視力がありません。

ドイツの人道援助団体「ドイツ国際平和村」のスタッフ、クラウディア・ペップミュラーは言います。「この1年間で、アフガニスタンの状況はかなり悪化しています。今までの活動の中で、これほどまでの人数が面会に来たのは初めてです。(2022年2月)約2200人の子どもと面会しました。」

アフガニスタンの経済は破綻し、空腹に苦しむ人々が増えました。専門知識を持った医師や多くの人道援助団体は国外へ出てしまいました。

クラウディア・ペップミュラー:「面会にやってくるこどもたちは、ケガを負っていても包帯もしていません。鎮痛剤も手に入りません。ドイツでなら、集中治療室に入るであろう症状を抱えていてもです。」

ペップミュラーは他のスタッフとともに、ケガや病気を抱えた子どもたちをドイツへ連れていく準備をしています。パスポートの準備などもあり、現役政権であるタリバンとのかかわりもあります。ペップミュラーはいいます。「公の事業を担う様々な分野にタリバンがいますが、無事に活動を行えています。タリバンから支援要請もあり、驚きました。」

ドイツ国際平和村は、1967年の設立以来、ケガや病気を抱えた子どもたちにドイツでの治療の機会を提供しています。子どもたちは、ドイツ国際平和村がチャーターした飛行機に乗って、家族から遠く離れた異国の地であるドイツにやってきます。

数か月後、カメラチームは再度アブドゥルに会うため、ドイツ・オーバーハウゼン市の施設に向かいました。ここでは、様々な国々からケガや病気を抱えた子どもたちが生活しています。

傷のチェックも定期的に行われます。処置室のスタッフが言います。「彼がドイツへ来たばかりの頃、胸の傷の中に金属の破片等を見つけ、取り除きました。その後、かなり回復しています。これから、肘下の2本の骨を離す手術を受け、鉛筆などをつかめるようにします。」 アブドゥルは、手術に対して「不安はないよ」と言います。

施設で他の子どもたちと遊ぶ中で、痛みやホームシックを忘れられます。子どもたち同士、スタッフと共に治癒の道を歩んでいます。ペップミュラーは言います。「子どもたちは私たちに、『日々を楽しむことの大切さ』を教えてくれます。

アブドゥルは、まだ(2022年8月の時点)いつ帰国できるかはわかりませんが、家族にできるようになったことを見せる日を楽しみにしています。

2022年12月1日(木):Reinhard Mey

作詞作曲家のMey氏は、2022年の10月ドイツ・オーバーハウゼン市で開催されたコンサートの会場で、ドイツ国際平和村に寄付することを発表しました。このコンサートはウクライナ戦争と軍備増強に対するMey氏自身の考えを表明する目的もありました。Mey氏の想いがつまったメッセージを以下の映像から見ることができます。この場をお借りして、Mey氏と協力してくださった皆様に感謝申し上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=TmTgp__y_7Q

映像意訳:
「子どもたちは、まったく関係のない理由で行われている戦争に、最も傷つき苦しむ弱い立場にいます。子どもたちにまったく罪はありません。私たちは今、ドイツで生活し、そのドイツ政府は、1億ユーロもの資金を武器や軍備拡張に投入しようとしています。その行為に対し、皆さんの承諾を得れれば、今日の出演料をドイツ国際平和村に寄付し、私自身の姿勢を見せようと思います。」

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