「世界子どもの日」に際し

子どもたちの人権

社会の中で最も弱い立場にある子どもたちは、特に保護されなければならない存在です。子どもの権利を守ることを目的に、1954年の国連総会の際、各国に「世界子どもの日」を制定することが提案されました。ドイツでは、9月20日を「世界子どもの日」とし、子どもの人権に注目します。ドイツ国際平和村は、「世界子どもの日」に際し、特に子どもたちの「健康に生きる権利」について喚起します。

ただ、この権利が守られていない状況が世界にあることは、ドイツ国際平和村の援助飛行のたびに再認識しさせられます。例えば、アフガニスタンから渡独したイズマエルにも健康に生きる権利があります。そのことは、理論上のみであることは、ドイツ国際平和村スタッフが2022年2月に子どもたちと家族との面会で初めて彼に会ったときに明らかでした。イズマエルの父親は、現地パートナー団体である赤新月社の面会場所に、イズマエルを抱えて入ってきました。イズマエルは一人では歩けず、かなり衰弱していました。数か月前、交通事故にあい、彼は脚に重傷を負いました。彼の脚の皮膚は引き裂かれたような状態でした。傷は適切に処置されない上、包帯替えもなされないまま、腰から下の脚の大部分に生傷が見えていました。彼の家族は、治療を受けさせるための資金を持っていません。ようやく手に入れることができたのは、彼の脚に巻く包帯のみでした。この面会の日まで、イズマエルは家でこの状態で横になっていました。父親は、貧困のため食糧を手に入れることができず、イズマエルに十分に食べさせることもできないと、ドイツ国際平和村スタッフに話しました。カブールの面会時に、脚の包帯を取り変える際、イズマエルには泣き叫ぶ力すらありませんでした。

2月の面会から3月の援助飛行までの間、ドイツ国際平和村スタッフは、彼の力が持つか心配でしたが、彼は援助飛行便に搭乗でき、治療のため渡独できました。ドイツに到着後は病院に直行し、集中治療室にて治療を受けました。担当医は、彼の脚を救うことはできませんでしたが、彼の命を救うことができました。数か月にも及ぶ治療を進めた今、彼はすっかり子どもらしさを取り戻しています。義肢をはめ、上手に前進することができます。以前のような痛みはなく、笑い、遊ぶことができています。重症で、体全体を固定した状態で渡独した彼は、半年もたたないうちに、重症だった以前の様子を想像できないくらい元気になりました。

イズマエルにとってドイツでの治療は生き延びる最後のチャンスでした。ドイツ国際平和村が受け入れる子どもたちには、イズマエルのような運命を抱えている子どもたちがたくさんいます。母国で適切な治療を受けることができない多くの子どもたちにも、治療の機会を得る権利があります。ドイツ国際平和村は、この子どもたちの権利を守るためにも、これからも多くの支援者の皆さまと協力して、活動を続けていきます。

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