アフガニスタン:断続的に続く紛争に苦しむ国

罪なくして苦しんでいる人々が存在する事実

アフガニスタン政権が崩壊し、武装勢力タリバンがこの国を制圧して以来、ドイツ国際平和村には、現地の状況はどうなのか、今後の活動はどうなるのかなど、この状況を心配する人々からたくさんの問い合わせがきています。ドイツ国際平和村は、現地の治安状況の急速な悪化を懸念しています。この状況下で忘れてはいけないのは、現在、メディア等を通して、目にする現地の写真や映像が映し出す非人道的な行為や惨さんたる状況が、過去40年間、残念ながら変わっていないという事実です。2001年9月11日に起きた同時多発テロから今日で20年が経過しました。犠牲になった方々を追悼すると同時に、テロ等の非人道的行為が導く結果を再び認識します。アフガニスタンでは、人が人を苦しめる状況は、今回の政権交代で始まったことではありません。アフガニスタン国民は継続的に苦しみ、戦争自体に辟易しています。

現在のアフガンスタンの状況を知った上で、様々な疑問がでてきます。将来的にアフガニスタンでのタリバンの具体的な役割とは?現地の人々の生活や安全は守られるのか?この状況に対する欧米社会の責任は?そして、ドイツ国際平和村自身は、アフガニスタンの子どもたちへの医療援助をどのように実施できるのか?

これらの疑問に、包括的な回答を見出すことはできません。長期にわたり、思慮不足のまま、大国の地政学的利権を巡って、また原理主義的思考により、アフガニスタンは、ひとつの危機からまたさらなる危機へ突き動かされてきました。ドイツ国際平和村も、あらたな局面を迎えています。あらゆる困難に通用する施策はありません。過去にも困難な事態がありましたが、それぞれの事態に合わせて取り組み、医療援助活動を維持することができました。

ドイツ国際平和村の基礎となる理念「非暴力、異文化への寛容、政治・政権にかかわず独立した形での活動、世界中の全ての子どもが、子どもとしての権利を持つべきだという考え方。」これらは、この厳しい状況下においても指針となるでしょう。罪なくして苦しんでいる人々が存在する事実と、私たち一人ひとりの行動は間接的であれ、全て繋がっています。希望を失ってしまった人々が、また希望を見出せるように、活動家や支援団体だけでなく、私たち一人ひとりに課題があり、できることがあります。

展望が見えづらい今こそ、私たちの力を終結させて、紛争や危機的状況にある人々が将来への希望を持てるよう、屈することなく尽力します。

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