ガザからの報告

ガザ在住邦人からの報告

2016年よりガザに住んでいます。普段はUNRWAが行っている学校運営、診療所運営、食糧支援などの事業をサポートしています。状況が悪化し始めた5月10日(月)から12日(火)はガザ市内の自宅にいましたが、13日(水)に同じくガザ市内にある事務所に移動し、そこで寝泊まりして緊急対応しています。

継続的に双方の攻撃が続いており、不安な日々を過ごしています。家を失った人や自宅で危険を感じている多くの人々が自宅を離れ、より安全であろう親戚等を頼って移動したり(実際現在の状況の中、ガザに「安全」な場所はないのかもしれませんが)、今朝の段階で4万人近くの人々がUNRWAの学校に避難しています。UNRWAの学校は緊急時のシェルターとして使われており、国連の旗が立てられたUNRWAの学校で安全を感じる人が多くいらっしゃるからです。しかしながら、UNRWAの建物近辺でも爆撃があり多くの被害を受けています。日夜関係なく爆撃が聞こえる中で、人々は次にどこがターゲットになるのかと恐怖の中にいます。昨日は、ビーチ沿いにある難民キャンプで爆撃があり、UNRWAの学校に通う5人の子供たちを含む9名の市民が亡くなりました。報告されているだけで、15日時点で139名が亡くなり(内39名が子供)、1,038名が負傷しています。同僚のひとりは、ラマダン最終日にイフタール(断食明けの食事)の準備をしながら妹と電話で話し、その1時間後に何の警告もなくその妹が住む建物が攻撃され、一瞬のうちに妹とその家族を失いました。他の同僚は、「また会うことが出来ないかもしれないけど、これまでありがとう」というメッセージを送ってきました。他のガザの友人も私以上に不安の中で過ごしているはずながら、ガザにいる私の安否を確認するメッセージを送ってくれるのですが本当に胸が痛いです。爆撃の音が聞こえるたび、地震のような振動が建物を揺らすたび、何の罪もない人々がこれ以上傷つかないことを祈るばかりです。

12日(水)にラマダンが終わり、本来なら人々は13日(木)からイスラム最大のお祭りであるイードが始まり、休暇を楽しむ予定でしたが、このような悲劇を生んでしまいました。しかし、今回の状況の激化は突発的に起きたことではなく、ガザの人々は常に戦争になってしまう可能性の中で生きており、今回の攻撃が止んだ後もその状況は続くという事を知ってほしいです。また、なぜそのような状況に置かれているのか、みんなで考える事が大切だと思っています。被害を受けているのは一般市民です。まずは双方が攻撃をやめて、また悲劇が繰り返されないようにするにはどうすればよいのか、考えていく事が出来ればと思います。

写真:2014年にドイツ国際平和村がガザの子どもたちへ医療支援を行った際の様子 (写真提供:Sandro Somiglii)

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