アフガニスタンと中央アジアの子どもたちへの援助

治療を終えた子どもたちが帰国しました!

2021年2月17日(水)、33人の子どもたちが心待ちにしていた帰国の日を迎えました。ドイツ国際平和村がチャーターした飛行機には、子どもたちと医療物資に加え、以前ドイツにて治療援助を受けた子どもたちが継続して必要としている薬も載せて、現地に運びました。

長く続くコロナ・パンデミックにより、「健康であること」の価値を日々、感じます。紛争や危機的状況にある地域の子どもたちにとっては、パンデミック以前から恒常的に重要なことでした。子どもたちの母国では、傷が適切に治療されないために、小さな傷から重度の骨髄炎を引き起こし、長い間その症状を抱えることになる子どもたちがいます。ガスボンベ等の爆発によるやけどが十分に治療なされないがために、傷跡がひきつれ、関節の可動域に重度の制限がかかってしまう子どももいます。この2件の例からも、現地の基礎医療そしてその普遍的な供給がどれほど重要かが分かります。アフガニスタンや中央アジアの国々には、このような状況に陥ってしまった子どもたちが何百人もいます。

この子どもたちの中には、ドイツ国際平和村の支援を受けて、ドイツでの治療の機会を得た子どもたちがいます。このかつての子どもたちの中にはすでに成人した人もいますが、継続して薬が必要な場合もあります。通常であれば、半年ごとの援助飛行によって届けられる6か月分の医薬品を受け取りますが、コロナ・パンデミックの状況がどうなるか不確定な中、援助飛行の予定も確実に立てられないため、今回の援助飛行では、引き続き投薬治療が必要な約180人分の医薬品を1年分、アフガニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、ジョージアに運びました。この援助飛行で重要なミッションの一つは、この180人へ医薬品を届け、彼らの健康を持続的に支えることです。

治療を終えた33人の子どもたちは、それぞれの母国へ持ち帰る帰国用カバンを詰めていました。この帰国用カバンの準備は、援助飛行前にはいつも見られる光景です。子どもたちそれぞれが持ち帰りたい思い出の品に加え、家族へのプレゼントを詰め込みます。ママへのTシャツ、パパへのズボン、妹たちにはジャンバースカートなど、あっという間にカバンは膨れ上がります。それでも、一番の贈り物は、子どもが元気になって家族のもとに帰ることです。ドイツ国際平和村で出会った友達との別れは寂しいですが、子どもたちは家族との再会が待ちきれない様子でした。

今回の援助飛行でも、ドイツでの治療を必要としている子どもたちを連れてくることはできませんでした。「コロナ・パンデミックとそれにより手一杯である病院の状況を考えると、残念ながら、子どもたちを治療のためにドイツへ受け入れることが困難です。現在、すでに骨髄炎を抱えている子どもたちは、さらにドイツでの治療を待たなければならず、症状も悪化してしまうでしょう。」と、この帰国便に同行したドイツ国際平和村共同代表、ケビン・ダールブルフは、苦しい決断を語りました。

今回も、子どもたちの空港までの移動を担ってくれたSTOAG(オーバーハウゼン公共交通局)とデュッセルドルフ空港の協力に感謝します。帰国する子どもたちと同行するスタッフのCovid-19検査は、今回もエッセン大学病院ウイルス科の協力のもと可能になりました。子どもたちの帰国を応援してくださっていた多くの方々に、この場をお借りして心よりお礼申し上げます。

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