2018年ドイツ国際平和村活動報告

2018年ドイツ国際平和村活動報告


写真:安井 浩美

子どもたちに関する活動

 

2018年12月末の時点で、ドイツ国際平和村は、9カ国の子どもたち204人を受け入れていました。また、2018年末までの1年間で、治療援助要請は20カ国より計726件ありました。

2018年に治療のため渡独した子どもたちは合計10カ国から305人です。2017年に比べると76人増加し、2016年と比べると9人減少しています。アフガニスタンでの活動について、ここで説明をさせていただきます。一昨年2017年8月、ドイツ国際平和村は予定していたアフガニスタンへの援助飛行を、ビザの発給問題のため中止せざるを得ませんでした。2017年以降、現在に至るまで、アフガニスタンのドイツ大使館は閉鎖されています。そのため、2018年も引き続き、アフガニスタンへの援助活動を遂行することが困難になりました。2月と8月に予定していたアフガニスタンへの援助飛行は行うことができましたが、8月の援助飛行の際は、アフガニスタンの子どもたちへのビザ発給が可能だという知らせが遅れたため、援助飛行日程がかなり迫ってからの準備となりました。遂行できないと思っていた援助飛行に希望の光が差しましたが、その時点では、チャーター機の費用が通常より4万ユーロ値上がりしてしまい、ドイツ国際平和村は多くの費用を、チャーター機に支払わなければなりませんでした。

 

2018年以前からドイツで治療を受けていた子どもたちも含め、9カ国284人の子どもたちが治療を終え、母国の家族のもとへ帰国していきました。この数は、2017年内に帰国した子どもたちの数より4人増加しています。2018年、アフガニスタンからは、164人が渡独しました。それに対して2017年は69人のみです。これは前述した理由のため、通常年に2回行っているアフガニスタンへの援助飛行の1回が中止となったためです。その他の主な援助国は、アフリカのアンゴラ(80人渡独)です。アンゴラへはアフガニスタンと同様に、チャーター機を利用して年に2度援助飛行を行っています。さらに、タジキスタン(12人渡独)とウズベキスタン(26人渡独)、キルギス(5人渡独)からも子どもたちを受け入れました。そして、ガンビア(8人渡独)、ジョージア(7人渡独)、さらに、アルメニア、カンボジア、シエラレオネからそれぞれ1人を受け入れました。

 

写真:安井 浩美

子どもたちの治療

2018年、ドイツ各地の病院にて、合計305件の治療提供がありました。(2017年は229件)また、子どもたち1人当たりの平均入院日数は、前年に比べ4日減り26日間でした。残念なことに、子どもたちの治療を無償で行った病院の軒数は減少しています。2018年は、134軒の病院から協力がありました。(2017年は155軒)その他にも、16軒の病院の協力により、子どもたちの症状が診断されました。(2017年は20軒)また、35軒の開業医からも継続したご協力をいただいています。これらの軒数に加え、子どもたちの母国の病院や開業医による協力もあります。

子どもたちに治療の機会を提供する活動の状況は、年々厳しくなっています。子どもたちの入院日数は過去数年減少傾向にあります。入院日数が減るということは、施設における子どもたちの日常生活費やリハビリにかかる費用と労力が、よりかかるということです。また、治療を始める前に出費する費用も多くなっています。最近では、子どもたちの半数が、ドイツに到着した後に一旦ドイツ国際平和村施設に滞在するようになりました。子どもたちは入院する前に、まず施設にて感染症やMRSAの保菌検査を受けるのです。渡独時に空港から病院へ直接入院する子どもたちの数が減っているのは、先述した病院の治療受け入れ件数自体の減少と、無償治療の条件として、入院前検査(感染症やMRSAの保菌検査)を挙げる病院が増えていることが大きな理由と言えるでしょう。

このような状況を打開するために、ドイツ国際平和村は2018年より、平和村施設内に手術室建設の着工を開始しました。ドイツ国際平和村は、手術室建設の着工により、子どもたちの治療により大きな可能性を提供するための大切な一歩を踏み出しました。

登録ボランティア:

 

多くのボランティアによる協力は、寄付金で成り立っているドイツ国際平和村が活動を続けていく上で、大変重要です。2018年も、多くの登録ボランティアの皆さんが、ドイツ国際平和村施設での子どもたちの生活や、病院での入院生活、病院への送り迎え、施設内のキッチン、イベントの際など様々な場面で活動を支えてくださいました。登録ボランティアの皆さんの中には、年間を通して定期的に活動に参加して下さる方もいれば、イベントの際や、緊急時など、ドイツ国際平和村の要請に応じて活動に参加してくださる方もいます。また、仕事やその他の事情によって一時期活動を離れる方、またその後に再び活動に参加してくださる方もいます。こうした理由から、ドイツ国際平和村の活動に参加している登録ボランティアの方の人数を、ここに正確に記すことは難しいのですが、おおよそ200~300名の登録ボランティアの皆さんが、ドイツ国際平和村のためにドイツ全土で積極的に活動しています。こうした登録ボランティアの皆さんには、活動に参加する前にドイツ国際平和村が開催する登録ボランティアセミナーを受講していただいています。2018年に開催したセミナーにも、多くの方が参加してくださいました。2018年10月に行ったセミナーの参加者は、29人もいました。


現地プロジェクト活動

 

ドイツ国際平和村は、子どもたちへの治療援助だけでなく、子どもたちの母国におけるプロジェクト活動にも力を入れています。この現地プロジェクト活動では、子どもたちが母国の家族の近くで医療を受けられるようになることを目指しています。ありがたいことに、資金面が比較的安定していたことや、ドイツ国際平和村基金からの支出金を使用できたことから、2018年も現地プロジェクト活動をより進めることができました。新しいプロジェクトとしては、例えばカンボジアに産院ステーションや小児病棟の建築を行いました。

カンボジアでは他に、前年に引き続き、基礎健康診療所の建設に特に重点的に取り組みました。2018年の時点で、34軒の基礎健康診療所が開設されており、その他に計画中の診療所も数軒あります。これらの基礎健康診療所は、人里離れた地域に暮らす人々、とりわけ子どもたちにとって、基礎的な医療や医療的な助言を受ける大切な場となっており、それぞれの地域にしっかりと根付いています。

また、2018年も引き続き、プノンペンの学校支援に取り組みました。この学校の支援は、2010年以来、チューリンゲン・カンボジア協会と協力して行っています。「COMPED-HOME」は、視覚障がいや肢体障がいを持つ青少年のための学校です。この学校では青少年に、農業についての知識や技術を教えています。こうした知識や技術を身につけることで、特に農地の家族を支えることができるのです。現在、この学校には、34人の生徒が在籍しています。別のプロジェクトしては、ゴミ拾いをして生活の糧を得ている家庭の子どもたちのための幼稚園を増築しました。このプロジェクトの幼稚園は、公立や私立の幼稚園とは異なり、ゴミ山で生活している子どもたちが小学校へ入学するための準備をするための幼稚園です。現在では、80人以上の子どもたちを受け入れています。加えて、バッタンバン市のサーカスプロジェクトを2018年も継続して支援しました。ごみ拾いをして生活の糧を得ている家族の子どもたちが、運動機能と社会関係を促進できる場となっています。

 

ウズベキスタンでウズベキスタンでは以下の4つのプロジェクトを進めていますが、2018年も効率的かつ効果的に実行することができました。以下に、決算時期である2018年8月までの1年間で、各プロジェクトで支援した子どもたちの数を記載します。合計218人の子どもたちが、ウズベキスタンでの現地プロジェクト活動で治療を受けることができました。

口唇口蓋裂症治療プロジェクト(2003年にプロジェクト開始):150人
整形外科プロジェクト(2008年にプロジェクト開始 ):8人
形成外科手術プロジェクト(2011年にプロジェクト開始):4人
心臓疾患手術プロジェクト(2015年にプロジェクト開始 ):56人
(うち6人はインドで手術、7人はタシュケントで手術を受けました。)

2019年1月15日、ベルリンのウズベキスタン大使館で開催されたセレモニーで、ドイツ国際平和村に友好賞(Do’stlik)が授与されました。ミルジヨーエフ大統領から贈られたこの賞は、「ウズベキスタンの医療システム発展への貢献、子どもたちの健康を守る様々なプロジェクトの実施、人々が健康で生きられる社会の発展への寄与、人道支援活動への積極的な参加」に対して功労を称えるという内容です。

またキルギスでも、現地プロジェクト活動を進めています。2015年より、形成外科手術整形外科手術にかかる費用をドイツ国際平和村は支援しています。また、その手術に必要な機材も、ドイツ国際平和村が支援しました。2015年9月以降現在までで、計56人の子どもたちがこの支援を受けることができました。2018年1月は、腸疾患のある子どもの診断に必要な機器の費用を援助しました。それにより、昨年6月から12月までの間で、30人の子どもたちが検査と手術を受けることができました。

アフガニスタンでのプロジェクト活動は、1992年に整形外科用品の工場の設立から始まりました、また、1997年からは、ドイツ国際平和村は、「マラストゥーン―平和のための共同体」という活動を支援しています。そこでは、高齢者、障がいを抱えた人、シングルマザー、孤児が生活しています。
2018年は、「German Medical Service」の活動に必要な物資や医療機器の部品の財政的な支援を、ドイツ国際平和村が行いました。さらに、「German Medical Service」と協力して、井戸を必要としている村の共同体への井戸構築プロジェクトも支援しました。

ガンビアでは、2012年より現地パートナー団体「Project Aid The Gambia」と協力して活動しています。ドイツ国際平和村は、子どもたちへの医療援助活動と並行して、医療援助物資を定期的に現地に送っています。2018年に、ドイツ国際平和村はBuniadu市の幼稚園の教室建設における資金を援助しました。

ベトナムでも、以前、個々の子どもたちへの医療援助と同時に、プロジェクト活動も行っていました。1973年、ドイツ国際平和村の現地プロジェクト活動による最初の施設は、Da Lat市に建設されました。その後、現地の人々の医療インフラをはじめとする生活水準を改善するために、合計11軒のドイツ国際平和村施設と、100軒以上の基礎健康診療所を建設しました。これらの現地プロジェクト活動により、現在ではベトナムの子どもたちをドイツへ受け入れる必要はなくなりました。2006年には、ベトナムの現地パートナー団体にプロジェクト活動の運営と管理を委譲しました。2018年内の支援としては、Phuoc An市の英語教室の建設と内装工事の費用の一部をドイツ国際平和村が支援しました。この英語教室を通して、子どもたちはより良い教育を受ける機会を得られるようになります。

 

写真:Jakob Studnar

援助物資

2018年は、医薬品、松葉杖、衛生用品、食品など、合計21,4トン(2017年103トン、2016年112,56トン)、帳簿価格で約120万ユーロ分(2017年、約166万ユーロ)の援助物資を、プロジェクト活動を行っている各国に届けました。商品価値はこの帳簿価格よりかなり高くなります。2018年は、税関監査や搬送分配の問題で、中央アジアやコーカサス地方の人々へのパケットアクションを実行することができませんでした。例年は、約85トンの物資をパケットアクション活動を通して現地に送っていました。2018年のパケットアクションでは、中央アジアやコーカサス地方の人々への物資の支援に代わり、平和村施設内で暮らす子どもたちが使用する子ども用衣類が不足していることから、ドイツ市民の皆さんに、子どもたちが平和村施設で着用する衣類や余暇活動で使用する文具・雑貨用品を詰めてもらい、ドイツ国際平和村へ届けてもらいました。

 

アンゴラアフガニスタンへは、援助飛行の際にチャーター機に援助物資(アンゴラへ9.7トン アフガニスタンへ11.2トン)を載せて、送ることができました。(帳簿価格で、アンゴラへ63万ユーロ分、アフガニスタンへ57万ユーロ分。商品価値はこの数値以上。)

2018年、11回目と12回目の援助飛行を行ったガンビアには、0,5トンの援助物資を送ることができました。この中には、医療援助活動のために、ドイツへ受け入れた「かつての子どもたち」への医薬品も含まれています。

 

ドイツ国際平和村共同基金

ドイツ国際平和村共同基金は、ドイツ国際平和村の活動を長期的に安定したものにすることを目的とし、2001年に設立され、カンボジアにおける基礎健康診療所建設等のプロジェクト活動や援助飛行の際のチャーター機代などの費用が、この基金によってまかなわれてきました。

2018年は、カンボジアでのプレイベン州Peam Chor市の病院の産科と同州Sithor Kandal市の病院の小児科の建設兼設備援助を行いました。2018年内、上記のプロジェクトに合計約15万8792ユーロ8セントを基金より支援しました。

ドイツ国際平和村・平和教育部門
(Friedensdorf Bildungswerk)

紛争によって引き起こされる問題と向き合ってきた長年の経験をもとに、1986年ドイツ国際平和村・平和教育部門が設立されました。人々の人道援助への意識や社会参加を促し、全ての人々の平和的な共生に寄与することを目的としています。設立以来、ドイツ国際平和村・平和教育部門の重点は変わらず、平和教育、異文化、社会・開発政策といった分野における啓蒙活動を行っています。

2018年もドイツ国際平和村・平和教育部門の開催する「出会いの場」におけるプログラムに多くの団体が参加しました。合計団体数は110団体(2017年は98団体)で、そのうち24団体が初めての参加でした。参加者合計は2400名以上にのぼり、この参加者の皆さんに、1日または数日間にわたるプログラムを通し、学びや新たな認識の機会を提供することができました。プログラムの参加者の傾向としては、参加する各グループの滞在日数が減ってきています。生涯教育講座や家庭教育講座の各種セミナーについては、合計授業時間にして1400時間を越えるセミナーが開催されました。

2018年も、青少年や子どもたちを対象にしたたくさんのイベントを開催しました。その中で、8月には、青少年の国際交流プログラムに所属する約300名以上の青少年が、社会参画の日として、ドイツ国際平和村施設を訪問し、活動についての理解を深めました。そして、それぞれが感じたドイツ国際平和村の活動を、参加者がそれぞれの母国へ持ち帰ったのです。また、民主主義の社会を促進するプログラムの一環で、人種差別を許さないという意思表示をするバナー活動に、子どもたちとスタッフが参加しました。2018年10月には、他の2つの団体と連名で、人種差別と右派ポピュリズムに反対する声明文を発表しました。さらに、ドイツ国際平和村設立50年である昨年2017年に製作した展示用の写真パネルを、学校をはじめとする公共施設計6カ所に展示することができました。9月には、ドイツ国際平和村・平和教育部門が中心となって他のオーバーハウゼン市の団体とともに進めているプロジェクト、青少年平和賞「Youth4Peace」の第2回受賞式を行いました。この平和賞は、オーバーハウゼン元市長Klaus Wehling氏の働きかけにより、行われるようになりました。

 

 

日本からの支援:

ドイツ国際平和村と日本との繋がりは、90年代中旬に始まりました。その繋がりは、日本からの寄付、チャリティイベント開催などの支援、ドイツ国際平和村施設での住み込みでのボランティア活動、さらに講演会やイベントでの平和教育という形で、現在まで続いています。

整形外科医の矢倉幸久医師は、2007年以降、毎回自費で日本からドイツまで来て、ドイツ国際平和村の子どもたちへの支援を続けています。2011年からは援助飛行の日程に合わせ、年に4回約2週間滞在しています。2018年10月に、矢倉医師はドイツ国際平和村でのボランティア活動に対して、医学特別奨励賞を受賞しました。

『通販生活』を発行しているカタログハウス社は、2002年以降、『通販生活』の中でほぼ毎回、ドイツ国際平和村のことを紹介する記事を掲載しています。2018年6月には、通販生活読者ツアーとして、読者の皆さんがドイツ国際平和村を訪問しました。

78回目のアフガニスタンへの援助飛行では、日本人ジャーナリストの安井浩美さんが現地カブールとチャーター機での移動に同行しました。この取材によって安井さんは『通販生活』の記事を書き、2019年1月発売の誌面に掲載されました。

浅野敬子さんも、ドイツ国際平和村の活動を支援してくれている一人です。浅野さんは、「にこにこ一般財団法人」の創設者・代表理事です。浅野さんはカンボジアに住んでいた時に、子どもたちを死に至らせる病気の多くは、衛生環境が劣悪であることが原因だということに気づき、プロジェクトを始めるアイデアを出し、実行にうつしました。その後、「にこにこ一般財団法人」という団体を立ち上げ、世界各地に石鹸「にこたんソープ」を届け、衛生教育を行う活動を行っています。浅野敬子さんは、2018年7月にドイツ国際平和村を訪れ、代表ヤコブスと意見交換を行いました。

2018年6月、船で世界を旅しながら各地を巡る「ピースボート」乗船者の中から有志の皆さんが、ドイツ国際平和村を訪問してくれました。ピースボートは世界各地を訪れ、国際交流を行うことを目的としています。

2018年12月には、天皇誕生日祝賀レセプションにて、新しく着任された在デュッセルドルフ磯正人日本国総領事にドイツ国際平和村の活動を紹介することができました。

 


資金に関して

ドイツ国際平和村は、2018年も寄付金標章を受け取ることができました。この標章は、寄付金が正しく使用されているかを監査している機関である「Deutschen Zentralinstituts für soziale Fragen(DZI)」から取得するものです。Siegel(寄付金標章)は、寄付金で成り立っている団体の透明性と信用性を表す指標となっています。2016年の収支表において、活動における広報費用および管理費用の割合が全体の6,82パーセントであり、様々な団体の平均を大きく下回ります。

2017年に続き2018年も、寄付金収入に大きな変動はありませんでした。大変ありがたいことに、一般寄付金は5,74パーセント増加しました。それは額にすると、約20万4千ユーロです。

遺産によるご寄付も、ドイツ国際平和村の活動にとって大切です。その中でも、ある一人の方の遺産により、この項目の合計額が約190万ユーロとなりました。2018年の詳細な収支は、5月に改めて報告させていただく予定です。

 

 

2019年の予定:

2019年も、2018年同様、子どもたちへの医療援助と現地プロジェクト活動を中心として、活動を続けていきます。この数年、子どもたちへの医療援助を行うことが難しくなってきています。まず、アフガニスタンにおいては、子どもたちのビザを発給することが難しくなっています。カブールのドイツ大使館が機能していないことから、アフガニスタンの子どもたちのビザ発給を、アフガニスタン国外のドイツ大使館が代行して行っています。そのことによりスケジュール面と資金面の両方において、ドイツ国際平和村が受ける負担は少なくありません。また、2018年も、病院による治療受け入れ件数が減少していることから、医療援助活動を進めることが困難になっています。そのため、ドイツ国際平和村は平和村施設内にオペ室の建設を進めています。このオペ室の建設は、協力病院での治療に代えられるものではありません。しかし、子どもたちへの治療を少しでも進めたり、支出を抑えることができます。新しく建設する建物は2階建てで、手術室とリハビリ室を併設する予定です。オペ室では、手専門の外科や整形外科の複雑でない手術や、創外固定具の取り外しの手術を行います。将来、子どもたちはこのような手術のために、病院に入院する必要がなくなります。この建設に、およそ250万ユーロの費用がかかります。

2019年も引き続き、アフガニスタン方面(コーカサス地方、中央アジアを含む)とアンゴラに重点を置き、年4回の援助飛行を行う予定です。また、子どもたち一人ひとりへの治療活動と並行して、プロジェクト活動の一環で、中央アジア、東南アジア、コーカサス地方、そしてガンビアへの視察も予定しています。また日本では、ドイツ国際平和村の活動を知っていただくための講演会を予定しています。

 

ドイツ国際平和村の子どもたちが生活する施設を会場として、以下の日程でイベントを開催します。

夏祭り「ピース・イン・ポット」      7月6日(土)
平和村チャリティ・ウォーク&ラン         反戦の日に際して9月1日(日)

お祭り「ドルフフェスト」         9月14日(土)
モデルカー蚤の市               3月3日(日)、11月3日(日)

 

最後に:

ご寄付やボランティア活動といった、皆さんからの様々なご支援、ご協力に心から御礼申し上げます。2018年もドイツ国際平和村は、「現地で治療を受けることが困難なケガや病気を抱えた子どもたちにドイツでの医療を提供する活動」「子どもたちの母国における医療向上を目指した現地プロジェクト活動」「平和教育活動」の3つの活動の柱全てにおいて活動を続けることができ、必要な場所での再構築を進めることができたのは、皆さんの継続したご支援のおかげです。

また、ドイツ各地の多くの病院、病院スタッフの皆さんのご協力があったからこそ、ドイツ国際平和村は活動を続けることができました。同様に、オーバーハウゼン市、ディンスラーケン市当局の様々な部署の皆さんのご協力も、私たちの活動にとって不可欠です。空港から病院への子どもたちの移動では、ドイツ赤十字をはじめとする各地の救急隊員の皆さんのご協力をいただきました。そしてチャーター機の離発着の際には、デュッセルドルフ空港の皆さん、そして空港と平和村施設間の子どもたちの移動にはオーバーハウゼン交通局の皆さんにもご協力をいただいています。さらに、ドイツ国際平和村の活動を取り上げてくださったメディアの皆さんの協力があったからこそ、多くの方にドイツ国際平和村の活動を伝えることができました。

ドイツ国際平和村は、これからも課題に立ち向かい、より多くの子どもたちが健康に生きられることを可能にするため、またそのことにより、将来への希望を子どもたちが持てるように、皆さんと今後とも共に協力していけることを願っています。懸念される社会的な動向に目を向け、紛争地域や危機的状況にありケガや病気を抱えた子どもたちへの援助活動を行う団体として、視野を広くもち、偏見のない平和な社会を目指します。

ドイツ国際平和村は、皆さんからのご協力があってこそ、目標に近づくことができるでしょう。皆さんのご支援、ご協力に心から感謝申し上げます!

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